ほーへー

福田村事件のほーへーのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
3.6
情報がないということの恐ろしさがよく分かる。
今では疑問に思ったこと、分からないことはすぐにスマホで調べて答えを知れる。
遠くの人とのやりとりもすぐにできる。
でももし、電波も何もない環境だったらどうなるのか。
頼れるのは自分の思考と他人のいうこと。
もちろん自分の思考は1つの答えしか持たない。対して、他人のいうことは答えが人数分増えていく。そうすれば、だんだんと自分の考えに自信がなくなり、周りの人の多数派が言っていることが正しいと認識していく可能性が非常に高い。

そんな情報隔離がされている大正の日本。
ひょんなことから生まれた朝鮮人が悪いことをしているというデマ。ただ、それがデマか否かを確かめる術はない。
噂を信じて、加担する。結果、自分は安全
噂を信じず、加担しない。結果、自分は危険
この2択で後者を選んだ時、その危険は「自分の死」を意味する。そんな究極の選択を目の前にして自分が後者を選べる自信がない。
歴史的な惨劇ではあるが、どう回避すれば良かったのかと言われると非常に難しい。
ほーへー

ほーへー