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神回のmarimoのレビュー・感想・評価

神回(2023年製作の映画)
3.3
最後の瞬間にこの人生が神回だったと思えたら
きっとそれは幸せなこと

ところどころ歪でありながらもアイデアの方向性としては面白い作品

あの時あの瞬間
もう少し自分に勇気があれば
違った未来にいたのかもしれない

そんな過去の恋愛…いや
ただの片想いを呼び起こされてしまう

何度も繰り返される時間の中で
その時間のループを抜け出すために躍起になり
行き止まりに絶望して
思春期の欲望に取り込まれていく

学生の頃の
同じような日常の連続と
抑えきれない欲望を
人に見せないように発散する

そんな繰り返し

本作はただのループものではない

もちろん冒頭のシーンで展開は読めてしまうし
最後のオチに向かうのであれば不要な展開も多いように思える

でも人生なんて不要なことの連続
間違った選択の繰り返し
後悔だって
遠回りだって
期待は裏切りと表裏一体

繰り返される瞬間にいつか神回が訪れるとそんな期待が叶うこともなく

それでも
自分の行動の何かが
誰かの記憶にずっと残り続けてくれたら

誰かの些細な一言が
生き続けたいと思える生への執着になるのであれば

それはそれで素敵な事です

生きるために大切なことが現実かどうかは重要じゃない
妄想だって、願望だって当事者にとっては大切な事

彼にとっては「ありがとう」の一言でその人生が神回になってたと信じたい

ただ一度の人生が
最後の最後で神回と思えたらきっと素敵なことです

ちなみに私が好きな女の子に言われた忘れられない一言は
「ブーメラン当たると痛い」です
(全く伝わらない良い関係の良い思い出)

現時点での人生の最後に思い出しそうな一言の筆頭です…
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