しずく

全身小説家のしずくのレビュー・感想・評価

全身小説家(1994年製作の映画)
3.5
嘘もつき終わりましたので…、じゃあ。

平成4年5月にガンで亡くなった小説家・井上光晴さんの晩年の5年間を追ったドキュメンタリー。インタビューでは、自らを語る井上光晴と、周りから語られる井上光晴とが一致していないところが面白く、その違和感から徐々に虚構と真実が分かっていく構成がお見事。どんなに嘘をついても憎めない愛嬌があり、虚構の世界で生きる作家らしい人生だったんじゃないでしょうか。まさに全身小説家、井上光晴。原監督の撮る人物は、個人的には絶対に関わりたくありませんが、どんな人か知りたくなる、魅力ある人たちばかりです。(2020年鑑賞@u-next)
しずく

しずく