全身小説家の作品情報・感想・評価

「全身小説家」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

嘘つきみっちゃん。嘘つきと聞くと『少女地獄』を思い出すし、しょうもない嘘ばっかついて友達が離れていった自分の幼少期を思い出すw 

なので嘘つきはあまり良い印象がないんだけど、井上さんの周りにいる人たちはみんな幸せそう。嘘つきって知ってて付きあってるし、とにかく女性たちはメロメロ!超モテモテ。瀬戸内寂静…井上さんの奥さん、大変だっただろうなぁ〜😫

井上さんが癌に冒され、手術し、余命わずかと告知され抗がん剤治療を行う様子を追っかける合間に、どのような人生を送ってきたのか色んな人たちの証言が挟まるんだけど、出生・学歴・恋の話など様々な嘘が明らかになってくる。驚くけれど、そこには不思議と嫌な感じはない。

何が本当で嘘かも分からないけど、まさにタイトル通り、歩く小説のような方だったのだなと思いました。

娘さんも小説家になり、お父さんとの思い出と嘘について綴った本があるそうなので読んでみたい。
人に勧められて観たドキュメンタリーではあるし、この作家のことも知らなかったけれど、どんどん引き込まれていく作品だった。虚構は作家にとっては得意中の得意だろうが、自分の人生自体を虚構に染め上げた井上氏には、呆れを通り越して天晴れとも思う。この男の人生そのものが虚構であった、それこそ天性の小説家ではないかと思う。
そしてきっかけはどうあれ大変面白いものを撮れた監督が、インタビューで飄々としていたことも興味深かった。
ハルカ

ハルカの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ラストの瀬戸内寂聴の「セックス抜きの男女の友情は成立する」という言葉、アレまでもが虚構であることがこのドキュメンタリーの圧倒的な面白さに繋がっていると感じた。
あな

あなの感想・評価

2.0
小説家の井上光春を追ったドキュメンタリー映画。
僕自身、井上光春という小説家の存在も彼の作品も知らないうえで今作を鑑賞したのだがおそろしくつまらなく、観ていて苦痛だった。ただただ知らないおじさんの診察や演説、宴会での様子とその周りの人のインタビュー映像で構成されていてこの人に何の興味のない自分からしてみれば観ていて何の感情もわかなかった。好きな作家が題材であれば面白いのだろうけど、その人に関して知識も興味もない自分からしてみればただただ知らない人が映し出されるホームビデオだった。実につまらん。長かったし、。
やっぱりドキュメンタリー映画は特に考えて観る作品を選ばなければいけないなと改めて考えさせられた。せっかくTSUTAYAでプラスアルファでお金を払って取り寄せたのに、、、。
映画を観る。良かった。小池朝雄に似てない?嫌いになれない。好きじゃないけど。芸能人や小説家の経歴詐称なんてどうでもいい。驚いたのは、「TOMORROW 明日」の原作者だったこと、1992年が思った以上に過去だったこと。
小林

小林の感想・評価

3.6
結局何のためにこの人を撮ったのだろう
後半から語りは脱線するけど、カルト信者のようなファンや、聞いてもいないことをベラベラ喋る様子の撮り方は、カメラの中立的な立場を意識した上でも、ものすごく嫌味な印象がある
TSUBASA

TSUBASAの感想・評価

2.8
短文感想 65点
これは少し微妙でした。原一男監督のドキュメンタリー作品には『ゆきゆきて、神軍』などの傑作もあり、今作もかなり評判が良いです。何故なら今作は最初からその衝撃的な内容を撮るつもりではなかった、つまり偶発的にそれが生じたわけですから。当初、井上光晴という小説家が癌の宣告を受け、そのあと少しの余命を描くというものでありましたが、どんどん違う方向に進んでいきます。しかし、今作は井上光晴という小説家を事前に知っておかないとやや厳しい気もします。おまけに150分超えも中々辛い。またいつか再チャレンジしたいと思います。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

3.5
【自主原一男映画祭①】
今週末に原一男最新作『ニッポン国VS泉南石綿村』を観るので、未見の『全身小説家』『極私的エロス 恋歌1974』『またの日の知華』を借りて自主原一男映画祭を開催した。

その1本『全身小説家』について語る。本作はかなりトリッキーなドキュメンタリーなので、余程の井上光晴マニア以外は構造を知った上で観る必要がある。

『全身小説家』はまず、小説家・井上光晴の晩年を追ったドキュメンタリーだ。前半90分までは癌を宣告された、井上光晴が講演会や小説サークルに出席しつつ、闘病する姿が描かれる。井上光晴が手術する場面も7分近く映し出されたり、井上光晴がキレて酒の席で暴れたりする。さらには、女にモテモテで、インタビューにて女たちがときめきながら井上光晴への想いを語る。このように見所は多いのだが、文学にあまり興味ない人にとっては苦痛かもしれない。

それが後半1時間で急展開を迎える。井上光晴が語っていた武勇伝がウソだらけだったのだ。何がウソかは、実際に観て確かめてほしい。

井上光晴は劇中で、人生のある場所を切り取ったらそれはフィクションだと語っている。まさに、自ら人生を切り取り、虚構を織り交ぜていっているので、そりゃ全身小説家だなと納得した。

原一男は『ゆきゆきて、神軍』で、全て知っている状態で、演出家として奥崎謙三の行動をコントロールしたクレイジー監督。

ひょっとして、『全身小説家』も、偶発的に生まれたドキュメンタリーではなく必然的に生まれたドキュメンタリーなのではと思い、鳥肌が立ちました。
あ

あの感想・評価

4.4
井上光晴の周りにいる女の人たちのインタビューが一番面白かった
宴会のときの女の目、インタビューを受ける女の人たちの目、瀬戸内寂聴の目、目の映画だった

このレビューはネタバレを含みます

嘘で塗り固めた人生の最終地点で、瀬戸内寂聴が弔辞で、はっきり嘘を吐く。