Yuri

正欲のYuriのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
4.7
原作を読まないで映画を見た。
最後。最後の稲垣吾郎さんの演技で、「ああ、彼も同じことを言ったんだ、」と分かり、なぜか涙が溢れた。それまで1人だった2人は、通じ合えているんだな、と。
いろんな価値観、考え、人がいるんだと、本当にたくさんの人がいる。当たり前だけれど、普段生活していると狭い人間関係の中で生きているから気づかない。それを知ることができるから映画を見たり、小説を読んだりすることは面白いな、と改めて感じた。

稲垣吾郎の、検事など悪を取り締める人の考えは、父が警察だったのでとても共感したがこれはもう職業病だろうな、と思った。世間の悪いところ、しかも特別悪い人たちだけを特にたくさんみてるから思考が固まってしまうのも仕方がないよな、と。
同じ条件下での環境にもその何倍もたくさんの人がいるけど、そこには目を向けることができない。罪を起こしていないから。それでもそこにいる人たちのことをもう1人の検事の方みたいに分かろうとしてくれる人が増えるといいな、と思う。
価値観とか思考とか文化とかで人を否定しない人でありたいなと、強く感じた。
Yuri

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