たむ

正欲のたむのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
2.5
東京国際映画祭監督賞受賞の性欲の多様性を描いた作品です。
が、ちょっと風呂敷を大きく広げすぎた印象も…。
多くの登場人物が、バラバラの場所で繰り広げる群像劇です。
これは確かに多様性、様々な、欲望の形を描くことも可能だろう…と思ったのですが、それほど広くはないです。
他の人には理解されないだろう、という性癖の苦悩と葛藤を描く、しかも群像劇でテーマは、多様性となれば、もっと深掘りもできたのではないかと思います…。
普通を大事に、理解も受け入れることもしない検事という国家権力も若干安易な気もしつつ、ここはうまくいっていたような気もします。
誰にも理解されないかも、と思っていたら、同じような人が居て、転がっていく物語ですが、同じような人で固まってしまった分、多様性がかえって削がれてしまった印象も…。
それぞれの葛藤は心がこもっているだけにもったいない印象を思ってしまいましたね。
たむ

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