かんじ

正欲のかんじのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
5.0
少数派の絶望と希望を描いた映画。

だが、この映画の本当の主人公は少数派の人達ではなく稲垣吾郎演じる『普通』側のお父さんだ。

多様性と言えば聞こえは良いが、自分が理解できない世界を理解するのは不可能だろう。だからこの映画で一番苦しんでいるのは、仕事や家庭で理解できない問題に直面している稲垣吾郎だ。悪役のようなポジションにいるが悪役だとは思えない(コロッケのシーン以外は笑)。

今年、日本アカデミー賞獲って欲しい映画
(翔んで埼玉という『理解不可能』なダークホースがいるがw)


この映画で共感するのは少数派の人物たちだが、学ばなくてはいけないのは稲垣吾郎だ。

多様性の名の下にいろんな意見が出るのは良いが、新たな分断や孤立を生み、より混迷を深める、諸刃の剣だ。だから気をつけないといけない。
大事なことは、理解できない価値観があるということを『知る』ことから始まるのではないかと稲垣吾郎演じるお父さんから感じた。

しかしベッドシーンは、自分が今まで観た映画で子供(10歳以上)に見せられるベッドシーンだった笑
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