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正欲のgomimushiのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
5.0
原作勢からすると「なぜ夏月がベッドメーカーで働いているか」など省略されている点が気になったが、原作+映画をセットで見ることで初めて完成される作品だと思った。

誰にだって性的指向におけるマイノリティーがあるわけで、それが決して恥ずかしいわけでもない。今回は「水」にだけフォーカスしていたけど、どれだけ多くの人が「LGTBQが〜」と世界中で運動を起こしても「変態」と片付けられて生きづらい人がいるのも事実。

小生は本作において最終的にバッドエンドだと受け取ってしまったし、壮絶な終わり方だと思っている。「世の中いろんな人がいるな〜」だけで片付けられる問題ではない。

特に日本で生きていく上でマイノリティというのは淘汰されていく風習にある。「みんながやっているから自分もしなければいけないorしたほうがいい」といった風に右に倣え精神を大事にする日本人なら尚更生きづらい。

本作はなかなか世界に向けて触れてはいけない部分に踏み込んだ、かなり攻めた内容だと思う。常にドヨーンとした気分が沈みまくる作品だけど自分の性的マイノリティに対して疑問を1mmでも感じた人はかなりおすすめ。
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