このレビューはネタバレを含みます
自分が普段から考えていること、所謂「マジョリティ」の世の中に擬態しながら生きないといけない場面や「明日生きていると思っている人」を疑問視している点や、「マイノリティ」として近寄ってくる人の視点ずれなども表現されてて、関心しきりだった。
「性自認」「性癖」「逃げ」「そんな人いるわけないけど」のようなマジョリティ側が使いたがる短絡的な言葉や、「多様性認めます」みたいな上澄だけの浅さ、マジョリティ側と思いこみたい人こそ他者を「別物」にカテゴライズしたがる風合いや、そもそも根っこ自体が異なること自体に気づけていない愚かさなどを示していて、そういう浅い人を「マイノリティ」のように映す描写が多くて驚いた。
同じ意識を持つ人と出会えたらどれだけ良いのだろうか、ただそこのずれが生じることの恐ろしさも見せてくれる映画で、観に行ってとても良かった。
2人のとった形を「偽装結婚」だと表現するようだが、何が偽装なのかさっぱりわからなかった。目的、利害が一致して惹かれ合う2人が一緒になるってとても自然なことなんじゃないかと思った。
