正欲のひのネタバレレビュー・内容・結末

自分は周りと合わせて生きることもできるし、そんなに世間の「普通」とも離れていないと思う。というかたぶん大きく分類すれば普通な人間だと思う。でも、時々なんだかどうしようもなく生きづらさとか疎外感を感じることもあって、だから周りと異なることとか、自分のありのままで社会にいられないこととか、誰にもわかってもらえないこととかそういうことで苦しむ人の切実な言葉にはグッとくるものがあった。

誰かと一緒にいたいけど、ほんとの自分らしき得体の知れない奇妙なものが露呈した時その人は離れていってしまうのではないかと、傷つくのを恐れて生きていて、本当は傷つくのが怖いだけなのに、自分の異常性に過度に言い訳を求めてしまうのもなんとなく共感できる。

八重子役の俳優さん凄すぎるし、他の俳優の方々にもほんとにあっぱれあげたい(俺誰だよ)。







桐生さんの想いと佐々木くんの想いも一緒ではないような気がして面白かった。利害関係が一致してるから住んでいるのだけれど、相手に求めている愛情の量や、生活の理想、もしくは本当に心の底で相手に求めているものは各々きっと違っていて、それがなんとなく生き方や配慮の違いに表れていて、人物を画一的に描かないところが好きだった。