じょうパン

ウィッシュのじょうパンのレビュー・感想・評価

ウィッシュ(2023年製作の映画)
3.5
アメリカの方で評価が低いと言われていたのでどんなもんかなと思いましたが、たしかに微妙でした。あんなに昔面白かったディズニーがここまで言ってしまえば面白く無くなったのは少し残念でもありました。この作品を100周年に持ってくるくらいだったら、短編の「ワンス・アポン・ア・スタジオ」を長編にして欲しかったくらいでした。

◻️脚本
もちろんディズニーの作品はほとんどハッピーエンドなので展開は分かりますが、それでも今回は中身が薄かったです。まずかなり序盤のお城でのシーンでアーシャが王に思いっきり「あなた悪いことしてますよね?」的な事をドストレートに聞いてて「え?めっちゃ隠さずに言うやん」って思い、まるで独り言並みに正直に言っててびっくりしました。展開早くするのはいいですがセリフもセリフで説明台詞っぽくて、個人的に物語に入り込めませんでした。私は吹替で観たので子供向けに翻訳されてると考えたらまぁ仕方ないのかなと思いました。
あとはミュージカルのシーンが多かった。「ディズニー映画にミュージカルはつきもの」と言われていますが、ミュージカルという要素がどこから来たのか私は未だに理解できていないです。なので別にミュージカル要素いらないかなとまで思っています。ミュージカル要素を入れるにしても、白雪姫や昔のプリンセスの様に2つくらいがちょうど現実に戻される事なく観れるので最近のディズニーの6曲くらい歌うシーンを入れるんだったらいらないかなとまで思いました。多く入れ過ぎてしまうと逆に物語に入り込めないし、物語の要素を薄めているなと感じました。

◻️映像
2DCGみたいなおそらく初めての試みだと思う映像でしたが、何か違う感じがありました。街の人が格好のせいかもしれませんが「シュレック」に出てくる人とかなり似ていて、また動きもディズニーの「ソフィア」という女の子向けの作品のアニメーションに似ていて「なんか違うなぁ、安っぽいなぁ」と思いました。
また編集ではあまりカットを割っていなかったので、編集もあんまりでした。カメラアングルでは人物の全体の横を捉える画角が多くて何故そういう画角にしたのがが気になりました。

◻️オマージュ
100周年なのでオマージュが来るのは分かっていましたが、ラストシーンの王様の「鏡よ鏡〜」の下はわかりやす過ぎていらないかなと思いました。
・白雪姫、井戸やスターが魔王をかけた木、王が地下で杖を作っている場所や横にあった毒りんご
・美女と野獣、アーシャがトロッコで逃げた時に魔王がかかって足がついた乗り物に変わった。
・ピノキオ、バランティノのビジュアルがピノキオの羊とかなり似ていた
・シンデレラ、最後の上からくるくる回って魔法をかけられるのが似ていた
などちゃんと過去作品も観ていないと分からない感じのオマージュなどはとても良かったです。

◻️吹替
昔から吹替で観ていたので今回も吹替で観ましたが、あんまりかなぁと思いました。歌はいいんですが、歌える人を声優に選んでる分普通の会話などがもうその人にしか聞こえない感じ特に福山雅治が下手くそで吹替より絶対字幕で観た方がいいかなと思いました。


◻️まとめ
冒頭でも言いましたがこれが100周年なのは少し残念でした。ラストシーンのみんなで歌うシーンは良かったと思っただけに少し勿体無い作品になってしまったなと思いました。メッセージ性としては「夢は叶えてもらうものではなく、自分で叶えるものなんだ」と言っていて少し心に響きました。
悪役の王、予告が出た時から思ってはいましたがもかなり序盤で悪役というのがわかってしまい、そっからの展開は予想がついてしまうのが面白くなかったかなと思いました。ハンス王子の様に最後らへんで悪役だとわかったり、序盤で悪役と分かっていても緊迫する様なラストシーンや中盤でのシーンが薄かったのでそういう部分が悪役には欲しかったです。

プリンセスに限らず何故最近のディズニー映画はこけているのか、すごく気になっていて、いったいディズニー社の内部で何が起こっているのか、ここまでこけてる作品が生まれるのは何かしら内部で起こっているのかなと思っています。

でもやっぱりディズニー自体は大好きなので、ディズニーの作品はもっと輝いて欲しいなと思いました。いつか輝く日が戻ってくる事を待ってます。
ディズニー100周年おめでとう!
じょうパン

じょうパン