もり

ウィッシュのもりのネタバレレビュー・内容・結末

ウィッシュ(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

ディズニー百周年記念作品らしさ、というノルマを消化しないと……が先に来てしまい、お話を本当に面白くする諸々が取りこぼされた作品だったな……。
友人たちは七人の小人のパロディだよね?でもそれいる?そのパロディよりも友人たちを魅力的にかくほうが大事なんじゃないの?とか……。
ディズニーオマージュはあって楽しかったけど、ディズニーだしやっぱ動物喋らせなきゃ……やっぱディズニーだし夢と希望と魔法でしょう!を描くことが「タスク」になってしまっていて、お話の展開やキャラクターへの感情移入がしにくかった。
とにかくすべてが「ディズニー百周年記念作品」の逆算で作られてる印象。

歌は良かったんだけど、キャラクターの気持ちにいまいち乗れないのでここは歌いどころ?て思うところがあった。
この時代だし民衆の結束と王への蜂起を歌とともに入れたいのはわかる、わかるんだけど、唐突感が拭えない。
マグニフィコ封印もなんか唐突で、アラジンみたいに「強大な力を願うことが墓穴を掘る(自らが自らを封印してしまう)」みたいに持ってけなかったんか?と思う。アラジンのセルフオマージュとしても面白いだろうに。

マスコットキャラの魅力もなんかちょっとな。まあかわいいんだけど、ヤギも物語上の役目なんかあったっけ?それならしゃべる動物枠をディズニーヴィランあるあるの、「邪悪なお供」枠に使ったほうがよかったのでは?(イアーゴいいよね)
星もこう、「星です」以外の説明がないので、もうちょいなんかあるでしょ!とと思う。たとえばティンクと故郷が同じとかなんでもいいから……。ディズニーオマージュの使い所はここなんじゃないの?

この映画で一番魅力的なのはマグニフィコ。無礼者ソング良かったし、キャラの良さゆえに、善人ではないんだけど、ヴィランとして断罪されるのはちょっと気の毒では〜?と思うところもある。問題はあるけど実際ゼロから国作って上手く治世してたんだし……。(まあでも、みんなの願い叶えるよ!ていって実際は取捨選択してたのはよくないね)
彼が自分の容姿に自信満々なのは、白雪姫の鏡になる?からなのかな〜。
他の人の感想で見たんだけど、彼のキャラが濃いため視聴者が彼の目線に寄ってしまうのでは?て指摘は実際あるんじゃないかなーと思う。
だって、マグニフィコの他己紹介はできるけど、ほかのキャラできないし……。アーシャも「ふつうにいい子」くらいしか言うことないから…。

いろいろ思ったんだけど、やっぱりマグニフィコが「優れた1代目の王様をやっていた」がノイズな気がする。
それならいっそ、マグニフィコを二人のキャラクターに分割して、「優れた前王が病にふし、、王は側近の魔法使いを新たな王と指名した。しかし前王は純粋さゆえに、側近の秘めた邪悪に気づかなった。側近は人々の願いが強い力を持つことを知っており、はじめから自らの力とするのが目的だったのだ!」とかじゃだめですか?(と思ったけどこれほぼアラジンですね)
この話、アラジンにするとモヤモヤがいろいろ解決される気がするな。

自分が「面白い!いれたい!」と思う要素は、本当に物語を面白くしますか?を常に問いかけていかないと……と思いました。
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