カミバン

ウィッシュのカミバンのネタバレレビュー・内容・結末

ウィッシュ(2023年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

今作のディズニー史上最恐ヴィランは、マグニフィコではなく完全にアーシャです。

 まずマグニフィコ王は、ヴィランどころか第一に国と民のことを常に思っている優しき王です。願いを記憶ごと献上することは確かに心に欠けるものがあるかもしれないがしかし、冒頭の国の案内のシーンを見る限り皆んなが豊かに暮らしており、尚且つ人種問わず人を受け入れて兵も数少なく戦争とは無縁の生活をしていました。例えば、マグニフィコ王が国と国民を思っていたと分かるシーンはスターが地上にやってきたとき、光を放っていましたが平和ボケしたロサス国民はこの光に心奪われていましたがマグニフィコ王だけが何か異常を察知し、冷静に対処しようとしていました。
 さらに、王国受け継いだとかではなく建国からやってのけています。恐らく劇中を見る限り建国から戦争といった争いごとなどなかったのでしょう。特にマグニフィコ王のすごい所は、それを全部1人でやってのけたという点です。今までそういう王がいたでしょうか、1人で建国し、そこから戦争も起こさず、国民も皆幸せに豊かに暮らし、願いという物ではなく形ない物を納めることにより国民の負担を少なくしている。確かにナルシストで結局は、闇堕ちしてしまいましたがそれは相談相手がいなかったからだと思いました。それとアーシャが悪い。にもかかわらず最後は、鏡に閉じ込められ地下牢に収容されるなんて余りにも、余りにもひどすぎます。彼の過ちと言えばアーシャに心を許し国家機密を話してしまった事でしょう。

 主人公のアーシャですが政治のことは全く知らない、自分が幸せに暮らしているのはマグニフィコ王のおかげという事を忘れた、愛国心のかけらもない無礼な恩知らずです。恐らくアーシャ自身戦争を経験した事がないため、あんな事ができたんだなと思いました。 
 願いを選別して叶えていたのは、不完全であやふやな願いを叶えると人々が反乱を犯すからとマグニフィコ王が言っていたが、正しくその通りになりました。アーシャの祖父の願いをマグニフィコ王に叶えさせてほしいとお願いしその際マグニフィコ王は「歌で人々を扇動し、反乱を起こす危険があるからできない」と言っていたが本編でアーシャが歌で友達と国民を扇動して反乱してめちゃくちゃ皮肉の効いているな思ました。しかもアーシャは、これを正義と思ってやっているあたりジョジョのウェザーリポートが言うように自分が悪だと気づいていないドス黒い悪だと思いました。あとアーシャがしょっちゅう「この国が好き」とか言っていたがそもそもマグニフィコ王がいなかったらこの国は無かったんだぞ!分かってんのか!

 あと国民も国民ですね。自分たちが今までどれほどマグニフィコ王によくしてもらっているか分かっていません。国民視点では質問をしてもはぐらかすマグニフィコ王に疑心が抱いてしまうのは仕方ないかもしれません。しかしマグニフィコ王の立場では自分が1人でこの国を建国し、みんなの安全を今まで守ってきて、今まさに国の危機かもしれないと言うのに平和ボケした国民達は、自分の願いのことしか考えないのは深く憤りを感じるはずです。

 この作品の良いところは映像と歌が良いところです。ていうか100周年記念作品でよく革命の話やったよね。
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