オノマチ

ウィッシュのオノマチのネタバレレビュー・内容・結末

ウィッシュ(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ディズニー100周年作品としてワクワクしたのは同時上映の短編ムービーの方。
スターが万能だったためにアーシャの企みは成功したものの、正義があるとは言い難い。自分可愛さが溢れる国民たちの中で行動力がバグったやつが現れ、考えなしに平和な現状を破壊した馬鹿共と言える。
それに対してマグニフィコ王(マグぴ)は稀代の賢王と呼ぶに相応しい。
まず、魔法という絶対的な力によって他国を牽制し、力に溺れることのないようセーブすることも出来る知性と理性。この時点でもう好き。
次に、その絶対的な力を国民の願いを叶えるために使うという器量。願いの選別は国の存続に陰りが生まれないための必要な措置である点も非常に合理的。
恐らく故郷を戦争によって失った過去を持つが故に争いのない国を作り、ただ願いを捧げるだけで永住権を獲得出来るガバガバ具合(いい意味で)、しかもその願いは月一で叶えてもらえる可能性アリ。これ以上何を望む?
まぁそれを祖父が悲しんでたとかいう感情的な理由でぶち壊した阿呆が居るわけですが。
この物語は男性的な性質をマグぴが、女性的な性質をアーシャが担う形で展開されていたように感じる。論理的な理由で願いを封印し、脅威が現れれば力によって制圧するマグぴと、感情的な理由で願いを解放し、自分が正しいと信じて疑わずに相手の過去をよく知らずに攻撃するアーシャ。
自身が男性故にマグぴに肩入れしている部分はあるかもしれないが、現実でも似たような現象があるのでそれを皮肉った社会風刺的作品として見れば割と良いのでは?
まとめると、マグニフィコ王が稀代の賢王だったからこそ、アーシャというそれを引きずり下ろした阿呆の革命家(万能ペット持ち)が引き立った感じ。魅力的なヴィランが居ればこそヒーローは輝くと言うが、今回はヴィラン作りで力尽きたように感じた。
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