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アアルトのあのレビュー・感想・評価

アアルト(2020年製作の映画)
3.5
もっと作り手として、彼の心意気や考え方、アイディアの発送の仕方を映像作品として見ることができるのかと期待していたが、第三者からの視点と彼の生い立ち、彼らの作品を語り多めで流している作品。
作品の内容は淡々としていたが、時に冗談や皮肉も混じっていて面白かった。
映像作品としてみれば、デジタル素材とアナログ素材の使い分けや切り替えが素敵だった。海や何処かの街並みの映像をを映像同士の切り替えにしたり、ある一つの画像を見せて音を無くし間をとって次のシーンへと流れていくのは印象的だった。そこまで内容は濃くないが、映像の流し方に強弱がついていて見飽きなかった。
作り手としての少し内向的で内に籠る癖があるものの、作り手としての自分なりのこだわりや、想いを強く信じて行動して、生涯現役の芸術家だった彼を同じ作り手の卵として尊敬したい。
またアイノとの絶妙な関係を、手紙のアフレコを入れながら会話調にしているシーンは記憶に残りやすかった。アルヴァの最後の言葉、君のアルヴァより、という言葉は印象的だった。亡くなって、再婚してさえもやはりアルヴァの中には一生、アイノいたと思うと切なさと人の愛の力を感じる。
あ