ボギーパパ

西部戦線異状なしのボギーパパのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.1
配信2023-2 Netflix

第一次世界大戦を舞台とした、レマルクの同名小説原作作品。

第一次大戦舞台となると、近年では『ダンケルク』『WAR HORSE』『1917』等があり、ドキュメンタリーでも『彼らは生きていた』があるが、いずれも傷みを、それも心にも身体にもリアルな痛みが感じられる作品が多い。

それはなぜなら、武器・兵器の第一次的進化が人に与えるダメージを激化させた点が挙げられる。飛行機、機銃、戦車、機関銃、火炎放射器、毒ガス、、、

その一方で、戦力=歩兵部隊であり布陣し、いざとなれば「突撃〜!」なのだ。そりゃ兵器が進化し、その攻撃受けるのは生身の人間なのだから痛いどころの話じゃ無い、、、上記いずれの作品ではその痛みがぴんぴん伝わってくるし、本作はそれに輪をかけている。

これがまた第二次大戦になると、また話が違う。人間性のかけらも感じられない兵器の投入は悲惨であり悪夢だ、、、
一方、ある意味で人間臭い部分の残る第一次大戦ならではの痛み、傷みであろう。まさに地獄、、、

そしてこの地獄絵図を2時間30分以上の時間目一杯使って淡々と描き続けているのが本作。ただ、ただ、描いている。人間が人間に対し行うことではあるが、戦争の恐怖ってやはり人間の怖さ、そして弱さであろう。

戦争反対!今観るべき映画。これしか無い。
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