ペコ

フェイブルマンズのペコのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.8
巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督の自伝的作品。映画と出会い、映画監督の夢を叶えた自身の半生を基に描かれています。両親に連れてこられた主人公のサムが初めて劇場で観た「地上最大のショウ」。そこからサムは映画の虜になり、8ミリカメラで家族を撮影するようになり、やがて仲間たちと自主製作の映画を作るようになるのです。ホームビデオだけでも面白いのは何でだ。ボーイスカウトの子供達だけであれほど完成度の高い映画を作れるのだから恐るべしスピルバーグ少年!やはり天才は幼い頃から天才なのね!
映画製作への愛が溢れた作品であることは間違いないのですが、どちらかと言えば家族の中で起きる問題を軸に描かれているような印象。淡々とした展開ながらも人間ドラマをしっかり見せてくれています。しかし幼少期の暗い過去や、傷付いた心こそが、後の数々の名作を生みだしたのだろう。スピルバーグって純粋で真面目で繊細な少年だったことが分かります。物事には全て意味があり、楽しいことも悲しいことも、いずれは人生の糧になるのだと観ていて感じました。
映画は栄光を与えてくれるが孤独も与える。人生はフィルムのように巻き戻しが出来ない。思い通りの人生にはならなくとも、自分自身の人生を必死で一生懸命に生きていけば夢は叶うのだとスピルバーグに改めて教えてもらいました。ラストシーンでまさかのあの人が登場!?終わりかたが素敵でした!
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