序盤から「上手いな〜！」っていう見せ方を連発していて感心する事頻り。キャンプで撮ったフィルムを編集しているところとか本当、観てて胸が痛くなる。
それでも中盤までは「これぐらいはスピルバーグならできて当たり前」とか失礼な気持ちで観ておったのだけど、プロムの上映会でものの見事にやられた。ああいう形で「映画はおそろしい」というのをまざまざと見せつけるとは(あれをレニ・リーフェンシュタール映画に例えた意見があって眼から鱗！)！やはりスピルバーグ恐るべし。引き合いに出して悪いが、チャゼルとは格が違う。
そして止めがあの巨匠を演じる某監督‼︎あそこだけ彼が演出したんじゃないかと思うぐらい場をさらって行き(あの会話自体本当に行われたらしいんだけど)、こんなに残酷な物語なのに綺麗に締めるという歪さを絵で納得させる存在感よ。
そして本作鑑賞後はスピルバーグの過去作に対する見方も変わってくるという意味でも必見の秀作なんでお薦め。3回目の監督賞獲ってほしいけどそうすると今後のモチベーションが下がっちゃうかも、とか酷いことを思ったり。
おまけ:ポール・ダノは今回も上手いんだけど、何演ってもポール・ダノっていうのが実に不思議。
