キュラソー

フェイブルマンズのキュラソーのネタバレレビュー・内容・結末

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ミシェル・ウィリアムズにどうも納得がいかず。題材の向き不向きというのがあるので仕方ないのだが、めっちゃ面白い劇中映画に比してそれを取り巻く人間たちのドラマが中途半端に重苦しいのも気になってしまう。妹たちの存在感を出したいのか傍に置いておきたいのかがどっち付かずな感じでモヤモヤする。
プロム〜ロッカー前での仲直りまでの所は良かったなあと思っていたが、最後にあからさまに地平線の位置を調整するあざとい演出を見て、やっぱり微妙ではと思った。

劇中で上映される『リバティ・バランスを射った男』に出てくる役者で強調されるのがジョン・ウェインでもジェームズ・スチュアートでもなくリー・マーヴィンなのは、ちょっと面白かった。リバティ・バランスみたいな明らかな悪者の不在が、この作品の語りを鈍重にしているのだろうか。爪を長くしてピアノを弾いておきながら今更「芸術が〜」とか言ってるミシェル・ウィリアムズの役柄を、本当はもっと悪いやつにしたかったのではないか。結局最後まで出てくるのは、自分のやりたいことを追求している父親の方だし。
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