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フェイブルマンズのKのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
4.0
スティーブン・スピルバーグ監督の自伝的作品。

幼少の頃に初めて映画館を訪れて以来、映画・映像・リアリティのあるおとぎ話に夢中になった少年が、家庭、学校環境などで様々な人と出会い成長しながら、人生の一瞬一瞬を見つめる姿が描かれる。

フェイブルマンとは、おとぎ話をする人、という意味。彼は、本当によく物を観察していて、"カメラは見たままを撮る"ということは小さな頃の体験からもしくは天性的に知っていることで、だからこそこの映画の中の彼の作品では特に彼が撮る画にはリアリティを追求したり、シーンをよりリアルな多面的に見せるカットが多様されていた。

そのリアルらしさの中に華を添え物語に深みをもたらすものは一体なんなのか、映画の面白さは何なのか?

地平線が真ん中では「死ぬほどつまらん」。普通じゃない目線だったら、なんだって面白い。その自分なりの面白さを、どうやって映像に乗せていくか。スピルバーグ監督の場合は、やはりキャラクターの人間味かな、と思いました。それが、彼の真ん中じゃない地平線ってことかな。スピルバーグ監督はきっととっても優しい人で、だからこそ、キャラクターに人間味が現れるんだろうな、と。それは、画で遊ぶ小細工ではなくて、リアリティの先に彼が見る、人間の温かみ。
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