M少佐

2300年未来への旅のM少佐のレビュー・感想・評価

2300年未来への旅(1976年製作の映画)
3.5
 「それはネコと言うのか?」

三百年ほど先の未来。
地球は荒廃し人間はドームと言う居住空間でなに不自由なく生活していた。
望むことは全て可能。
衣食住何一つ困ることはない。
しかし一つだけルールがあり30歳を迎えた者は儀式に参加しなければならない。
「再生と新生」と呼ばれる儀式に。
住人達はなんの疑問も持たず儀式に熱中するが、参加した人間は爆発四散する。
その儀式に疑問を持ち、逃げ出す者達も居る。
脱走者と呼ばれる彼等を狩り処分を下すサンドマンと呼ばれる男達。
なんの疑問もなく人の命を奪う。
そのサンドマンでありエリートの一人「ローガン」
彼はドームを支配するコンピュータから、ある密命を受ける。

完全なるディストピアから長く生きたいとシステムに疑問を持ち逃げ出す者達に関わる物語。
それこそ取り締まる側の男から見た自分の世界への疑問。
後半に至るまで明かされないドーム内での人間達の扱い。
上部では平和と安寧を与えつつ生存に抑制を掛ける残酷さ。
派手なスペクタクルやアクションも無く穏やかに進行するので、怖さがジワジワと後から来る。
今の技術からすると、かなりチープに見えますが当時の雰囲気を味わうにはちょうど良いかと。

後のSFや映画に大きな影響を残したであろう世界観やカメラワークは一見の価値があります。

記念すべき2300本目の作品。
M少佐

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