不安がずっと。ずっとずっと、どこかに消えてしまいそうなお父さん。太極拳やメディテーションの本を読んで、頑張ってみてはいるんだけど、それ以上にリアルを生きるプレッシャーに押しつぶされている。
愛しい娘と対面している時は、俺に頼れと言えるのに、自分の弱い所を突かれると、ひとりになると、耐え難くなる。負けたくないのに、不安になる。
子どもはピュアで、大人にとってはそのピュアさが跳ね返るように、グレーな気持ちが溢れてくる。
マカレナでみんなと一緒に踊れたり、カラオケで歌えたらよかったのに。最後の夜だけダンスに誘うなんてずるいね。
負けないで。
こんなにハラハラする映画あんまり見たことない。悲しくて嬉しくて愛しい。
影まで計算したカメラワークも、ロケハンも、溶けるようなシーン転換も見事だった。
熱に浮かされたトルコのリゾートだから、微熱みたいな幸せ火照りがずっとあるけど、その分日常では見過ごしがちな自分の嫌な部分も好きな部分も見えてくる。
ここ最近で1番エモーショナルな作品かな。わたしにとっては。
