aftersun／アフターサンのkakakaのレビュー・感想・評価

色褪せて折り目の付いた映画ポスターのアートワークセンスがまず秀逸。
昔見た映画の四つ折りのポスターを開いて懐かしむように、劇中の、ホームビデオを見て父との思い出をリフレインする事とリンクしている。
見返すビデオの中の父に思いを寄せ、父親と同じ年齢になったからこそ理解出る、その胸に去来する郷愁と漠然とした不安が、日焼け跡のようにチリチリと心を刺激する。
本来ビデオには映らない父親の嘆きや苦悩を、今の私（娘）がリンクする様をクラブのストロボの明滅内で父親と娘が対峙するという表現はおもしろかった。