みちゃまる

燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火のみちゃまるのレビュー・感想・評価

3.7
ネオン職人であった夫、ビルが亡くなった。夫の衣類を整理していた妻のメイヒョンは工房の鍵を見つける。10年前に廃業したはずの工房へ行ってみると、そこには見知らぬ青年がいた。ビルの弟子だという彼から、ビルには残した仕事があると聞かされ、メイヒョンは夫の最後の仕事を終わらせる決意をする。

過去と現在を行き来しながら紡がれていく物語は儚くも温かい。
香港の象徴だったネオンは、今やその9割が姿を消したという。時代の流れと共に移ろい、廃れていく風景、伝統を守ろうとする人々。古き良き香港を忘れない、心の燈火は消さない。目まぐるしい香港の政情変化の中で、自由を守ろうとする人々にも重なるものがあると感じた。
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