エリーン

イグジステンズのエリーンのレビュー・感想・評価

イグジステンズ(1999年製作の映画)
3.7
脊髄で繋がる生体ゲームの体験にやってきた人々が飲み込まれる異常なゲーム世界、ということで、「ヴィデオドローム」から早すぎるVRや精神世界的桃源郷への興味を深めていたクローネンバーグから飛び出た、設定もストーリーも更に異色で興味深い本作。
ゲーム界にバグがあったり、必要な台詞しか言えなかったり、ステージをどんどん落ちていったり、インセプション味のある入れ子式の映画としてかなり先進的だなと思いました。そもそもクローネンバーグじゃないとこんな映画は思いつかないし、クローネンバーグを1作目から順に見ていると、いきなりこの映画が飛び出てきたことでクローネンバーグの創造性のあまりの幅広さに感動を覚えました。
映画としては過去作には及ばない着地点かなぁ。
ジェニファージェイソンリーは素晴らしい役者だと思うけど、ジュードロウのセレクトはちょっとクローネンバーグらしくないなと思ったり、、でもその後ヴィゴーモーテンセンにシフトしていくあたり、意外とクローネンバーグもハリウッドの正統イケメンが好きなのかもしれないなぁ。
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