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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版のcoのレビュー・感想・評価

5.0
登場人物の寄りの絵、表情で語る描写が極端に少ないのが逆に印象的。
その分全身で、大声で、大袈裟に感情を表現して伝えるのはその国特有なんだろうか。
全員相手の話を聞かないで一方的に怒鳴り合うやり方があまりにも受け入れ難くて途中もう観たくないと思ったほどだけど、
みんな誰かに許されたい、認められたいという欲が一貫している気がする。
原題の獨立時代をみても、邦題の恋愛時代よりも多分独立という意味に近いのではないだろうか。自由恋愛は自由意志で、愛情、情、失敗も含めても己の選択、ということかなあ。(そのへんのタイトルの感じは調べてもわからなかったけど。)

結局、アキンは単純でいいやつだし、モーリーも必死に生きていて間違っていない、チチは白か黒以外の自分の意思がある、小説家は小説家で、芸術家はアホ業界人。チチの彼氏は男性的でチチに依存していてあんまり好きではない。
ポスターになっている2人の情が嘘や隠し事を持ってしまうのは悲しいけどそんなのは理想の話で、それでも相手を大切にしたい、会いたいと思うのは嘘ではないよなと思う。清廉潔白であることが全てではない。

いろんな感情を実体験のように感じては、なんだか友達や恋人と仲直りした夜のような幸福感が一晩、二晩経っても続いている。
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