かんた

デッドプール&ウルヴァリンのかんたのレビュー・感想・評価

4.3
吹替版・字幕版両方鑑賞。
大方の予想通り、デッドプール2のラストで時間改変を行った事により、
ウェイドはTVAに目をつけられて剪定されてしまう羽目になるが……

まずローガンのラストシーンから始まるのがグレイト!
X-Menシリーズを墓から掘り起こすに値する素晴らしい演出。

ブラックジョークやゴア表現も過去作と遜色ないレベルで作り上げられていて、
ちゃんとデップーの最新作だと納得出来るレベルになっています。
今回は話のスケールが大きく、マーベル映画らしさもミックスされ、
全く新しいデッドプールが観られました。

また期待していたカメオ出演。
ウェズリースナイプスのブレイドが、
ヒュージャックマンのウルヴァリンと共演している事に
感涙の気持ちを抑えきれず……
ローラの描写もいちいち丁寧で、
敬意を感じます。
ガンビットの訛りは、
純日本人ならば吹替版の方が何言ってるかわからなくて、面白いのでオススメです。

吹替版、字幕版の違いと言えば、
ナイスプールによるライアンの過去作いじりのシーン。
吹替版ではナイスプール吹替の子安さんに纏わるネタに変更されていて!
流れをぶった切って放り込まれるので、場面としては違和感はあるが、とても嬉しいシーンでした。

ガンビット然り、映像作品外のあらゆるゴタゴタを
ファンの願望を叶えるように面白く映像化してくれるのは
デッドプールシリーズの良い所。

しかしこの映画を2回観てもやはり
デップーシリーズ3作の中ではとりわけ内輪向けになりすぎていたようにも感じました。
私はそれで嬉しいですが、
過去作は今回でいうナイスプールのような、
オリジナリティ溢れるジョークが詰め込まれていたからこそ、
人気を博したんだと思います。

それとタイムラインに纏わる細かい場面や、
展開的に仕方がないのですが、虚無の世界へ飛ぶ理由もあんまりなかったかなとは思います。
虚無の世界から帰ってくる方法が結構苦しい展開だったように感じるので
虚無の世界に行ったら面白いよね、
虚無の世界にはもちろん彼らがいるよね、
と何を優先して作られているのかがなんとなく見えてきました。
別に直接製作者の頭に指を突っ込んだわけではないので
想像の域は出ませんが。

ある程度設定に隙はあっても、
面白い事や観客の期待を優先する姿勢に、
エンターテイナーとしての矜恃を感じました。
映画というのはどこに製作者の思いが込められているかを読み解くのも面白いです。
R.I.P. 20世紀FOX ありがとう過去のヒーロー達

今後もし新作が作られるとしたら、
話のスケールは小さくて、デップーシリーズの登場人物達が活躍する映画を
観たいですね。
かんた

かんた