ねぎおSTOPWAR

ヌズーフ 魂、水、人々の移動のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

4.0
シリア、ダマスカスでのお話。
あえて言わせていただきますけど、クソ独裁者のせいで、どれだけの罪なき市民が無慈悲に殺されたか・・。

お話としては「カタツムリの親子」。あの童話を思い浮かべていました。

ラストにある監督の言葉から、これは至ってマジメな意図から製作されたかがわかります。
何が正しい情報なのか・・そして海を渡ろうとして亡くなっていった人々。

それをファンタジックに家族のお話として描くやり方に好感を持ちました。
イスラム教におけるジェンダーの問題というか彼らの常識と現代人とのギャップが見えるのですが、子供への愛に溢れるお母さんが可愛らしいんですよね。そして強気で外出てみるけど、娘にバカにされるほど世間に無知!w・・これが良い。
生理用ナプキンのくだりも、まさかそんな状況とは・・。
典型的なイスラム夫の父も、最後はなんとも"普通"な男ですからねー。これもね、それがとても良いんですよね。父と母の内面の突き抜ける様が一般の人にとってもあるあるな出来事で共感できるんですよね。

・・・でも考えてください。
母の望み通り海に行っても、そこに平和は待っていないわけです。ひょっとしてかたつむりのお父さんの言うようにそこに留まるべきだったのかも・・・。

しかしこれは父や母が悪いわけではない。間違ったのはアサドです。

そしてプーチンもほぼ等しい。


〈2022-267/66〉