たむ

こんにちは、母さんのたむのレビュー・感想・評価

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)
2.5
山田洋次監督最新作です。
最近よく組んでいる吉永小百合さんが主演で、山田洋次監督作品初出演の大泉洋さんが新風を入れてくれます。
親子3代の葛藤が描かれるわけですが、恋愛に年齢は関係ない、というテーマです。
非常に爽やかな映画を目指しているようで、家族ドラマとしてもラブ・ストーリーとしても、山田作品らしい映画に仕上がっており、ここ数年の作品の中では、観やすく、古き良き喜劇になっています。
いますが、主題に対して、サブストーリーが尋常ではないほど、うるさいです。
主題をかき消すのではないか、と思うほど、サブストーリーの説教くさい展開は、最近の山田作品の悪いところ。
「社員をクビにする仕事より、クビになったほうがいい」とかびっくりするようなセリフが出てきます。
どっちも辛いでしょう。
「ホームレスの悩みは軽いと思ってるんじゃないの」とかもそうですが、そういうセリフを映画に入れる事がそもそもそう思っているんじゃないか?と勘ぐってしまいます。
言いたくなる気持ちもわからなくもないですが、それをセリフで言っちゃぁおしまいよ、映画なら、セリフで説明するのではなく、それを描いて、感じさせてほしい。
この説教くさいセリフの数々が、年をとっても若々しく、という本来大事にすべきテーマがぼやっとしてしまったのが残念ですね。
たむ

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