ブタブタ

マニトウのブタブタのレビュー・感想・評価

マニトウ(1978年製作の映画)
4.0
『震える舌』の「少女はある日悪魔と旅に出た」のコピーとそのおっそろしいポスターとCM見た時これは完全に和製『エクソシスト』で、いつ羽生えた悪魔が飛び出して来たり病室が宇宙空間になったりするのかワクワクして見てたら真面目な闘病ものだった。
そうなったのは全部この映画のせい。
女性の首の後ろに腫瘍が出来て中には胎児が居た。
それもただの胎児ではなくインディアンに伝わる最強の悪霊ミスカマカスで其れに対抗すべくこっちもインディアン伝説の精霊マニトウをコンピュータを使って召喚しクライマックスは何故か宇宙空間、異次元での悪霊VS精霊の殆ど『JOJO』の世界、霊的バトルになる。
『ジョーズ』の陸版『グリズリー』や『アニマル大戦争』等ジャンル映画、パチモン映画の巨匠ウィリアム・ガードナー監督による『エクソシスト』の大ヒットに当て込んだ亜流ながらホラー、SFを超えて何処か別次元に行ってしまったドボンクラ傑作ホラー映画。
土着の神々、邪神やその土地の精霊などが人間の文明の発展や開発によって住処を追われ
一旦は滅びたと思われるも何かのきっかけで復活し人類の驚異となる。
ニール・ゲイマン『アメリカンゴッズ』や「ポーランドのラヴクラフト」ステファン・グラビンスキの作品に通じる物があると思う。
特にインディアンの伝承、精霊や悪霊といった物が土地を奪った白人に対して復讐や逆襲を始めるのはグラビンスキの短篇にも同テーマの作品『煙の集落』があって、エクソシストのパチモン映画ってB・C級オカルト映画が意図せずにゴシック・ホラー更には異次元に突入するSF的展開ってクトゥルフ神話の様な広がりを持つ。
カルト映画となりマニア人気も高く最近BluRay化もされる。
『アンデッド』のスピエリッグ兄弟監督にこそこういうドボンクラオカルト映画を今の最新映画技術、CGをフルに使って撮って欲しい。
ブタブタ

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