Paula

手紙 オモニの願いのPaulaのネタバレレビュー・内容・結末

手紙 オモニの願い(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

Have a friggin' good life,
you friggin' scumbag.
放蕩息子というよりおバカなギガンが、腐れ縁であり悪友のジン・シクにこの様に語ることで彼の悲惨な人生が目の前に迫っているなんて

You have a visitor.「面会だ。」...この映画の隠語‼

日本のどの映画情報サイトでも英題は『The Big Shot』となっているけれどアメリカのサイトによると別の名前になっているって、どうでもいいのかもしれない... 英語題名なんて⁉ そんなこと映画の本質とは何の関係もないから、余計なお世話様なのか? でも...
『A Diamond in the Rough (Geugye Doel Nom)』という原題を知れば... のお話ってか? 意味不明で失礼?


Jin Young: Your mother will forgive you no matter what you've done.
Ki Kang: Why?
Jin Young: That's a mother's love for you.
     It's unconditional.
Ki Kang: A mother's love?
同じ房の死刑囚ジニョンのセリフがこの映画のメインテーマと言えるのかもしれない。
それは、映画の冒頭に主人公であり、散々母親に迷惑を掛けに掛け過ぎたギガンの現在の様子がこの映画の大事な伏線となり、映画を安心して見ることが出来るシナリオの構成になっている。その心優しい演出を映画製作者は敢えてしているので、所かまわず、心おきなく泣けに泣けた。

とにかく、涙腺崩壊を目的にしているのではないかと思えるような映画と言えて、特に母親役のキム・ヘスクという女優さんは韓国においては「国民の母」と呼ばれる国民的俳優さんなので、涙をこらえようとしてもあたしなんか見たいなミーハーな者ではいくらあがいたからって最初から白旗を上げてしまうほど泣けちゃいました。

少しラストは簡単に収めているようにも見えるのは、この映画が死刑に重きを置くというよりもどちらかというとセリフにもあったように"a mother's love is unconditional." がテーマとなっているのが理由なのかもしれない。付け加えるように時代を1988年にセット・アップしているのは、韓国が1997年を最後に死刑を執行していない事から死刑制度を廃止した国としてアムネスティは認めていることも理由の一つなのかもしれない。

ところでフュージョン時代劇に出演していたナム・ボラさんも今ではアラサーって... その彼女がジャージ姿のJKって、どうしたんだよと思えたけど... 考え直したら、それだけ彼らの人生のスパーンの長い映画という事かな?私生活では色々とゴタゴタしている彼女でも、その泣きの演技は今も昔も変わらなかったので安心しました。

死刑囚の立ち位置や収監のされ方を見れば日本とは違い多少、「あれっ?」って思えるようなところのある映画と言えるけど、それでも韓国映画のストレートに訴える話には白旗を振り過ぎるほど泣けました。
Paula

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