Omizu

新婚道中記のOmizuのレビュー・感想・評価

新婚道中記(1936年製作の映画)
3.7
【第10回アカデミー賞 監督賞受賞】
『我が道を往く』などのレオ・マッケリー監督作品。アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネート、監督賞を受賞した。主演はケイリー・グラントにアイリーン・ダン。

面白かった!人情喜劇の名手レオ・マッケリー監督の手腕が光る秀作。ケイリー・グラントとアイリーン・ダンの喜劇演技や掛け合いもよかった。

些細な勘違いから離婚を決めてしまった夫婦だったが、離婚成立までの期間中お互いの本当の気持ちに気付いていくというラブコメ。

『マリッジ・ストーリー』は本作をかなり参考にしているのではないだろうか。ラストの苦い後味も非常に似ている。本作、安易なハッピーエンドにはしておらず、想像の余地を残すようなビターな終わり方になっていてすごくいい。

犬と猫が芸達者な演技をみせていることも特筆すべきかな。どちらも物語上重要な役割を果たしている。

安易なギャグに陥らず、「何か妙なことになっていく」という状況の面白さになっていてそこは流石マッケリー。この年は『ゾラの生涯』が作品賞をとったが、監督賞は本作にいった。それも納得の流石の演出力。

マッケリー監督の喜劇センスが光る秀作コメディ。ケイリー・グラント、アイリーン・ダンはもちろん、犬と猫にも賞をあげたくなる演技も全体的によかった。男女の愛情の複雑さをコメディ仕立てで描いたなかなかの作品だった。けっこう好き。
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