鈴木ピク

ほの蒼き瞳の鈴木ピクのレビュー・感想・評価

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)
3.2
19世紀、イギリスの陸軍士官学校の閉鎖的な空気の中で起こる連続殺人。
その調査に使わされたアメリカ人をクリスチャン・ベールが演じるが、本作の肝はそのパートナー的存在となるのが学生時代のエドガー・アラン・ポーであるという点。
ハリーポッターのいじめっ子ダドリー少年が大人になって激やせ、そして多くのNETFLIX作品で個性派俳優として華開いた訳ですが、今回もポー役として余裕でクリスチャン・ベールを喰ってしまう怪演。
ポーって本当にこんな人だったの? 

ミステリとしては謎かけ部分を端的に縮め、勿体ぶった空気と全体の配分が良くなくて物足りないのですが、元来過大評価されてるスコット・クーパー監督の実力はこんなものじゃないでしょうかね。相棒であるマサノブ・タカヤナギの撮影が陰影に富んで、特に今回は素晴らしい効果を発揮していて「盛っている」感はある。

映画としては超普通(ミステリとしてどうこうは触れるとネタバレなので黙します)。けれど「なんかビックリするくらいの豪華キャストの中で圧倒的に一人勝ちするダドリー」という構図が面白過ぎるので結構楽しめました。
鈴木ピク

鈴木ピク