鈴木ピクさんの映画レビュー・感想・評価

鈴木ピク

鈴木ピク

ナイルの娘(1987年製作の映画)

4.4

海辺で展開するまばゆいほどの青春の光景と、どこにもいけない家庭の中の穏やかな光景 瑞々しい二つの磁場に引き裂かれながら、かけがえない今が行き止まりのもどかしさの中で残酷に過ぎていく

台湾ニューウェイ
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バレリーナ(2023年製作の映画)

3.7

よくある、同じくらいの完成度でも、これが邦画だったら「よく出来てる」と褒めるだろうけど、それが韓国映画だと「ちょっと物足りない」になってしまう不均衡

一見安いフィルターを使った90年代風の色彩が一方
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バッドボーイズ RIDE OR DIE(2024年製作の映画)

4.0

前作があまりに「彼岸の匂い」が濃厚で、時の経過を感じて哀しくなってしまったのだけど、なんと4作目、比喩でなく「彼岸」から物語を始め、喪失の哀しみを笑い飛ばしてその向こう側でまたはしゃぎ倒す! こんなの>>続きを読む

エノーラ・ホームズの事件簿3(2026年製作の映画)

3.4

パスティーシュ、いわば夢小説としてはこの上ない完遂を見せたのでは ネトフリがクリスマスごとに連発してた「異国の王子様に見初められる私」系低予算キラキラ映画と比べたら、その遥か上位互換

同時に、シリー
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クレイヴン・ザ・ハンター(2024年製作の映画)

3.9

ここ数年のアメコミ映画では全然良質の部類では? というかSSUで一番好き

クレイヴンを単なるマッチョでなく「獣としてのしなやかさ」としてねっちょり捉え、アメスパ2でクソ雑に扱われたライノがここでは「
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ジュラシック・ワールド/復活の大地(2025年製作の映画)

3.6

キャリアをインディーの怪獣映画でスタートしてゴジラもジュラシックシリーズも撮れたギャレスが勝ち組ということなのだろうが、本当に「撮りたい絵」はあっても「撮りたい話(画)」は無い人なのだろうなという印象>>続きを読む

異端者の家(2024年製作の映画)

3.7

普遍的な、男性と相対する際に生じる女性の恐怖を、ヒュー・グラントの豊かな芸と、豊かな芸さえ禁じられた若手女優二人の図式で見せる。

宗教論争の部分は実は「ガワ」なのだが、サウスパークでおちょくられて以
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映画ちいかわ 人魚の島のひみつ(2026年製作の映画)

3.8

Xで断片的に触れてキャッキャしてたタイトルに、長編アニメとして改めて向き合う
それって実はシームレスに出来ることではなく、原作そのままだからエラいみたいな褒めが発生しがちだけど、そのままで平面のマンガ
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チルド(2026年製作の映画)

3.7

コンビニ「エニーマート」で働く堺くんの日常

店員もお客さんもどこか壊れていて、将来の選択肢は少しずつ狭まり、外では空虚な流行り廃りが繰り返され、いつのまにか生きてることと死んでることの境界戦が曖昧に
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全知的な読者の視点から(2025年製作の映画)

3.8

仕事を解雇された孤独な青年ドクシャ(読者)の乗る電車が、彼が10年間読んできたweb小説世界の第一話に接続されてしまった
冷笑主人公や愚かなモブ暴徒たち、そしてデスゲーム大好き宇宙人マスコット
お決ま
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アメリと雨の物語(2025年製作の映画)

4.6

1969年、ベルギー外交官の娘として日本に生まれた少女アメリの、「0才から3才までの自意識で見た世界」を描くハンパなく豊かな感性のアニメ
「確かに子供の頃おばあちゃん家や旅行先を、この『色』で見てた!
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マーズ・エクスプレス(2023年製作の映画)

3.5

「日本が昔の押井守や今敏みたいなアニメを作らなくなってしまった。じゃ俺が作ればいいじゃん!」となったフランス人監督によるSFアニメ

なんだけど、こういう前情報で敢えて『攻殻機動隊』とか匂わせておくこ
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マーティ・シュプリーム 世界をつかめ(2025年製作の映画)

4.7

映画はあらすじではなく描写の連鎖によるものだ、という事を「つまりこういう事です」と示せる絶好の一本

幼少期から「賭けピンポン」で荒稼ぎし世界を飛び回った実在の卓球選手をモデルに、破天荒であまりに迷惑
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プロジェクト・ヘイル・メアリー(2026年製作の映画)

3.9

原作の読書体験が与える「天文学的な絶望と孤独の中で、試行錯誤とユーモアを忘れず考え続けること」、それを映像作品に置換すると、ひたすら「手を動かし続けること」に代わる

孤独の果てに出会うそれは、同じよ
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ハムネット(2025年製作の映画)

4.1

ポスターにもハッキリ明記してあるにも関わらず「なんか『ハムレット』の二次創作みたいな話なんでしょ」くらいの理解で観に行って、本当にどこでハムレットになるのか判らず謎のハラハラを続け、最後の展開に素直に>>続きを読む

Michael/マイケル(2026年製作の映画)

4.6

面白かった...…ドラマが無さすぎるという評判は聞いていたけど、
そうじゃなくてずっと「スーパースタァ」という状況そのものをテキパキ迷いのないカットとパフォーマンスで描写し続けていて、「一つの展開(ド
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急に具合が悪くなる(2026年製作の映画)

4.7

講義のように交わされる資本主義論、老人介護施設に凝縮した社会論、演劇、映画オマージュ、多言語等々、ひたすら複雑な情報量でセットアップしながら、
実際の画面にはどこまでもリラックスした女と女の心の結びつ
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スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー(2026年製作の映画)

3.9

あのメインテーマが流れないスターウォーズ
ファンへの目配せより、賞金稼ぎがお尋ね者を探したり宿場町の裏稼業に迫る、そういう小さな日常を描くことで背後に壮大な「遠い銀河の彼方の広がり」を想像できる

全
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黒牢城(2026年製作の映画)

4.3

長回し・生気のない台詞・段取りめいた芝居といった見る人を選ぶ黒沢清の作家性が、時代劇と思わず合致したこと、ひいては時代劇の魅力とは「駒として動かされる俳優」にあるのだと改めて再発見するような面白さがあ>>続きを読む

シンプル・アクシデント/偶然(2025年製作の映画)

4.8

イラン政府に睨まれ映画製作や国外脱出も許されない自身の状況を映画に取り込んで、観客は何を信じていいのか本当に油断できない映画を作ってきたジャファール・パナヒが、ストーリーテリングの面にもその極限の緊張>>続きを読む

魔女の宅急便(4Kデジタルリマスター)(1989年製作の映画)

4.8

小さい頃は神様がいて映画の世界を信じてた訳ですけども、リマスターされた画面を大スクリーンで観ることでかえって作画の密度の良い意味での緩さも明らかになって、ちゃんと「狙って」この世界を信じこまされていた>>続きを読む

Never After Dark/ネバーアフターダーク(2026年製作の映画)

4.4

貴重な日本発のモダンな洋館ホラーなのに宣伝が下手で勿体ない

姉の霊と旅する気弱な霊媒師:愛里(穂志もえか)が洋館の怪奇現象に挑む話
愛里の使うアイテム、怪奇現象の突き止め方、そして愉快な息抜きの時間
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傘少女 ー精霊たちの物語ー(2024年製作の映画)

3.8

古代中国、「秘宝閣」に収められた実在の美麗な工芸品の数々に「付喪神」の精霊が宿り、姿を晦ました黒玉剣の精霊・ワングイを探して青唐傘の精霊:チンダイと、精霊が見える修復士の青年:モーヤンが旅に出る
まず
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マスターズ・オブ・ユニバース(2026年製作の映画)

3.8

ブロンドのマッチョ、喋るトラ、ドクロのボケまくる悪役(吹替版杉田)、宇宙船の追いかけっこ、幼なじみ美女、最後はみんなで突撃etc…
オモチャ箱をひっくり返したみたいにマンガ的要素が全部出てくる
強固で
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モータルコンバット/ネクストラウンド(2026年製作の映画)

4.1

前作『モータルコンバット』では全然始まらなかった、魔界と世界の運命を賭したデスバトル『モータルコンバット』がとうとう開催
全てがどうとでもなる雑な世界観の上、キャラ立ち群像劇と大量のバトルが絶えず放り
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名探偵コナン ハイウェイの堕天使(2026年製作の映画)

3.4

これ『パトレイバー』意識してる気がして 今回敢えて派手な舞台立てがなく、火サスよろしく事件を地味に辿りながら「どういう舞台なのか」を探っていき、真相に近づくそのタイミング毎に白と黒のバイクがレイバーの>>続きを読む

ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ Bloom Garden Party(2026年製作の映画)

3.2

薦められた時の説明が巧くて、「3年間分の厖大な映像アーカイブがあるコンテンツなのに、初のアニメとなる劇場版では卒業の一日しか描かない」
そんなん映画ファン大好きなので鑑賞しました

何か大きなパーティ
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Erica -エリカ-(2026年製作の映画)

3.7

近年Jホラーのトレンドとして『きさらぎ駅』『リゾートバイト』等ゲーム的な状況やどんでん返しで、低予算でもアクティブな新しいスタイルがあった
それらと似たような装いに見えて、中心に状況以上にエリカを演じ
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最終楽章 響け!ユーフォニアム 前編(2026年製作の映画)

4.0

面白かった〜小川太一監督は総集編がほまに巧い

雑多な群像劇でもあった3期が、ちゃんと狭い世界で徐々に煮詰まって視界を狭めていく息苦しい衝突のドラマへ収縮

その対比、或いは青春の葛藤や逡巡が染みつい
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サンキュー、チャック(2024年製作の映画)

4.3

この上なく「今、この世界」の話から始まって悲しくて怖くてホロホロしてたのに、その数分後には「生きててこんな楽しい時間ってない」瞬間が刻まれ、でも余韻は良い短編小説を読了した時の深い満足感

あなたの人
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The Summer/あの夏(2023年製作の映画)

3.7

この質感のGLアニメは初めて見た
田舎の高校でサッカー部女子に愛され過ぎて困る内気な少女の夢のような恋が、都会に出て大人になるにつれて疲弊の中で変化していく

匂い立つような空気を描く一方、アニメなの
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Here(2023年製作の映画)

4.7

連休序盤に観るのにこれ以上ないかも
工事の休止に伴い長期休暇を得た現場作業員の男 旅行に出る前にと身辺整理をして散歩し、とある出会いが

全ショットが真四角(スタンダード・サイズ)の絵ハガキ 「緑って
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Of Time and the City(原題)(2008年製作の映画)

4.4

邦題『失われたリバプールを探して』U-NEXTにて

リバプールの記録映像に低く滋味あふれる老人のモノローグをつけただけで歴とした「映画」になってしまう
英国史や宗教には疎くても語り部のアイデンティテ
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ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

3.8

こちらのコンディションの問題で

まず昨年末にシネマート新宿で『ジャグラー』のリバイバルを鑑賞し、この映画や一連のスコセッシ、アベル・フェラーラ作品が持つような、ライブ感覚で場が持続していく犯罪映画の
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武道実務官(2024年製作の映画)

4.7

こんなストレート一本勝ちみたいな映画があるのか

フィルムのルックやショットを越えて、主演キム・ウビンの実直さが大地に足を着けて立っている

ひたすら善良な青年なので深みや陰などはなく、筋も一本道なの
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大洪水(2025年製作の映画)

3.7

『コンクリート・ユートピア』といい『白頭山大噴火』と言い、ディザスター映画の「画」は、かつてハリウッドに望んでいたそれはもはや韓国の方がバリエーション豊かに見せてくれるという事実

それはそれとして、
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