フクイヒロシ

高速道路家族のフクイヒロシのレビュー・感想・評価

高速道路家族(2022年製作の映画)
4.5
公開されましたので
コメント欄にネタバレを加えて再掲です。

***

貧困家族の話だけど、単なる福祉の問題提起に収まらないバイオレンススリラー。。

「誰が悪いか」とか「もっとうまい方法があったのでは」などの小さな話に持っていかない。

もっとヤバい方ヤバい方に行って観客に考えさせる。

**

映画予告編の四コマ漫画
■四コマ映画『高速道路家族』
https://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2935

ハングルver.→https://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2936

**

■コメディとスリラーのリズムとテンポが素晴らしい韓国映画クオリティ

ある貧困家庭が高速道路のパーキングエリアを転々としながら生活している様子からスタート。

確かにパーキングエリアには食べ物が売ってるしトイレもある。
テントを寝床にすればできそうな気がしてくるし、家族は楽しそうに暮らしている。

ただパーキングエリアにテントを張って寝泊まりするのは犯罪だし
金の調達の仕方は完全に犯罪。。
なので、同じパーキングエリアに長期滞在はできなくて転々とするしかない。

**

↑ここまでが起承転結の「起」ですね。
次の「承」で、彼らを定点観測する人物が登場します。
「パーキングエリアを転々としながら生活してる家族がいんの?なにそれ」と気づいた女性。

つまりやっと社会が彼らを発見したわけですね。
すると彼らのパーティーは終わるわけですが、
同時にそれは福祉という名の救いの手でもあるわけです。

**

次に起承転結の「転」。

どう転んでいくか、がこの映画の個性ですね。
単なる福祉の話では収まらないバイオレンススリラーになっていく(なんでだよ)。
ここが面白いですね。

で、「結」にもある工夫が。
切ない。。悲しい。。