カトー

猿の惑星/キングダムのカトーのレビュー・感想・評価

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
2.8
The Planet and the Apes X

おさるシリーズ最新作。シーザー3部作の個人スコアはRiseが4.8点、Dawnが3点、Warが4.3点って感じで基本的にはお気に入りの3部作。本作は続編兼ソフトリブート作とあって期待と不安ともうお腹いっぱい感が入り乱れての鑑賞。

結果は... 厳しかった... 新キャラ達にも惹かれないし世界観は新鮮味無いしストーリーは平凡だし展開も地味で所々ウトウトしてしまった。幼少期からカリスマリーダーになるまでを抜群の説得力をもって描ききったシーザーのキャラクターアークの素晴らしさを再認識することに。

シーザー死亡から数世代後に彼のレガシーと教えが捻じ曲げられて利用、あるいは崇拝されているという設定は、現代のテロリズムやカルトへの風刺のようで最上級に興味深くてスマートだと思う。ただ、それはあくまで設定上だけで、あまりストーリーに活かされてはいなかった。もっとキャラクター同士が対立する上での軸にしても良かったのでは。

Warからかなりのタイムジャンプをしたにも関わらず、猿達の進化具合が控えめなところも惹かれなかった。英語ペラペラになってアクセサリーつけたくらいの変化だったのがガッカリ。Warを経て本格的に猿の惑星になった世界を見れることを期待してたのに、アポカリプスものでよくあるような草木が生えた道路や廃墟と化したビル郡くらいの程度で、たいして猿が惑星してないのはどうかと思う。CGはWarの時点で最高峰のレベルに達していたため、本作での驚きはなし。もはやあのクオリティがスタンダード。すごいことなんだけど。

本作が新3部作のスタート作らしいけど、正直続きが気になるほどのラストでもなく... ガラッとトーンが変わるくらいの変化がないようであればもうこのシリーズは卒業してもいいかもしれない。
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