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テリファー 終わらない惨劇の特売小説のレビュー・感想・評価

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18:20上映開始、なら終映は20:00ちょい過ぎか、「バラいろダンディ」に余裕で間に合うな、トリプルファイヤー吉田が出るなら見逃す訳にはいかんしな、なんつって観終わってランタイム確認して作り手の正気を疑いましたよね。

ただ観賞後の満足感を鑑みれば、クライマックス突入前の間延びも含め、必要な尺だったと納得出来ますれども。

先ず、予算面で桁が増えたのか場面数が格段に増え絵面としても豪華になってますし、受け手を不快にするべくに、ほんと久し振りにホラー映画に於けるキラーによる惨殺、及び人体損壊を厭なものと認識させられたものあたい、とまれ、性質の悪さをプラスしたゴア描写がもうこれでもかの大洪水。

更に。

ファイナルガール扱いをしていた相手に急に無慈悲な行動に出る、や、全体を輪環構造にする工夫、など、前作の時点で物語としての面白さを獲得する努力が見られた訳ですけれども。

今作に於いては。

主人公に感情移入をすれば惨劇の館オマージュのニューロティックスリラー、そうかそれもまた彼女の再登場を匂わすミスリードか、俯瞰した場合はミステリーとしてクラウンの出自に関し言及する素振りを見せ、その上で前作のとある要素を結末で回収する伏線かのように潜ませる、非常に多くの要素が絡み合った複雑怪奇な内容をしかし直線的に見せるクレバー且つ剛腕な語りが、遺憾なく発揮されてるじゃないですか。

詰まり結論を言えば本作、近年稀に見る超弩級の特大傑作だった訳ですけれども。

手製に拘り故にこそ矜持を持つレイヤーの姉と、亡き父との繋がりを求め虐殺事件に拘泥する弟、詰まりどっちもポンコツなんてちょっと新鮮だし尊いでしかないですよ。

ほんと最後にあれをあれします、と明言しておいてのまさかの裏切りか、からのでもあれはあれしないんだ、そういやあれもあれしてないじゃんがっかり、からのあれが登場してえ、まさかそっち、という驚きと裏切りの連続にはもう先っぽだけで済む訳がねえだろと悶え死ぬかと思いましたよ。

という事で。

よもやそんな色気も持ってないとは思うがメジャースタジオからの誘いは頼むから断って欲しい、クラファンすんなら3万くらいは出すぜ俺、だから次回作もまた本当に作りたいものを原液のままでお願いしたい、と。
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