せりな

ソウルに帰るのせりなのレビュー・感想・評価

ソウルに帰る(2022年製作の映画)
3.0
生後間も無く国際養子縁組でフランス人として育った主人公が、飛行機が飛ばなくなった為、生まれ故郷の韓国に来る所から始まる。

見た目は韓国人だけど中身はフランス人の感覚なので、韓国人の文化には馴染めない。
馴染めないなりにも、穏便に人間関係を築くこともできるだろうけど、そうできないのはフランス人と韓国人の間で揺らいでいるせいなんだろうな。
刹那的な生き方してる様に見えるのも、理由はあれど親に捨てられたって気持ちが根底にある気がした。

実の親を探すチャンスがあって、父親にはあっさり再開できるけどあの父親は重たすぎるよね。
育ての親とは良好で特に困っている訳でもないのに、ああいう物言いされるのは嫌だと思う。
一緒に暮らしたいという訳じゃなくて、どんな人か知りたいとか養子に出した理由を知りたいっていうのが本音だろうし。
逆に、母親とは複雑な距離感があって結末も含めて人間関係って難しいなと思った。

自分のルーツを探しながらも、その時の自分の気持ちを最優先しているあたりとかは、やっぱりフランス人なんだなと感じた。
時間が経って少しは落ち着いたのかなと思わせておいて、全然変わってなかったラストはちょっと面白かった。
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