Haruki

⻘いカフタンの仕立て屋のHarukiのレビュー・感想・評価

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)
4.4
モロッコの民族衣装カフタンの仕立て屋を営む夫婦と、彼らのもとで働く若い職人の人間模様を優しく描いたヒューマンドラマ。

夫ハリムの秘密はモロッコの社会にとっては大きなタブーであり、その秘密が前提となって進夫婦の物語は純粋で奥深い。

妻ミナの病ももちろん物語の重要な部分であるが、詰め込み過ぎな感じはなく破綻していない。

雇用関係を超えた夫婦とユーセフとの関係は温かく、人間の根源的な繋がりを感じる。

ハリムは伝統を守る仕事をしながら、伝統と戒律からはずれる心を持つ。
そんな彼の苦悩に寄り添う。

作業の手元をアップで撮影しており、モロッコの伝統への愛が感じられる。

前作『モロッコ、彼女たちの朝』では戒律の中で懸命に生きる女性を描いた監督が、今作では男性を真摯に描いている。
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