Harukiさんの映画レビュー・感想・評価

Haruki

Haruki

映画(1355)
ドラマ(1)

桜桃の味(1997年製作の映画)

3.9

淡々と進むストーリーの中に漂う詩情。
国際問題と出自、仕事と金、生きるということをフワッとした空気感の会話で紡ぐ。

主人公は本気で死ぬ気は無かったのかも。
バゲリの言葉は胸に刺さる。

ドキュメンタ
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カジノ(1995年製作の映画)

3.8

欲と暴力に塗れた影の社会に生きた男女の栄枯盛衰をハイテンションに描き切った作品。

互いの信念が齟齬を生み、綻んでいくさまはアイロニックで強烈。

スコセッシ節炸裂だが、「グッドフェローズ」や「レイジ
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話の話(1979年製作の映画)

3.8

他のノルシュテイン作品と同様に、ストーリーはあるようでない。

日常の断片がユーモラスでダークなイメージで描かれる。

戦争体験や平和な時間などが交錯する。

彼のドキュメンタリーなどを観てみたい。

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.8

静謐で美しい映像と、シーツを被った幽霊というファンタジックなビジュアル、そして少ない台詞で綴られる切ないストーリー。

音楽も効果的で、切なくゆったりとした作風をより強めている。

ラストも完璧。
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if もしも・・・(1968年製作の映画)

3.9

イギリスのパブリックスクールを舞台に、歪んだ上下関係、いじめ、同性愛など辛辣なテーマを描いた問題作。

ブラックなユーモアを交えながら、反逆分子の自由を求める心情をダークに活写する。

想像力というよ
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7月4日に生まれて(1989年製作の映画)

4.5

傷痍軍人の現実をドラマティックに描き、戦争の重さとそれが残す傷の深さを克明に伝える。

冒頭の、少年時代のロニーが戦争ごっこを楽しみ、パレードでは退役軍人と戦争の現実を感じとるシーンは素晴らしい。
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ストレンジャー/謎のストレンジャー(1946年製作の映画)

4.0

終戦直後の風潮が感じられるポリティカルスリラー。

政治色が少し強いが、正体を見破られまいとする緊迫感は今観てもとてもおもしろい。
お互い正体を探りながら会話をするシーンはドキドキする。

先の読めな
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ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

3.9

多民族社会の日常を痛快に描きながら、人種間の不理解と差別を追及した作品。

皆がカメラに向かってメタ的に発言する演出は斬新で、鑑賞者に突きつけている印象が強まる。

人種は違えど町を愛していたサルに憎
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スリ(掏摸)(1960年製作の映画)

3.9

切ない恋愛とスリリングなサスペンスが交差する傑作。

内省的で孤独な青年が自分の掏摸の才能に頼っていく心情が奥深い。
ミシェルは仕事も見つからず、母との関係に悩む。
そんな彼は掏摸という唯一の才能で、
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マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー(2018年製作の映画)

4.2

やっぱり楽しくてキラキラしている作品。

冒頭で明かされる設定には少し驚かされたけど、新しい物語がしっかり作られている。

登場人物たちの友情が感動的。

ソフィがダイナモスで歌うシーンと教会での「M
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トップガン(1986年製作の映画)

3.7

やっと観た。

カッコよくて熱くて刹那的な青春群像劇。

軍隊の話だが、そこに流れるエモーションは普遍的。
人を愛し、自責の念に苛まれ、道に迷い、葛藤し、歩み続ける。

ケニー・ロギンスの「Dange
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隣の影(2017年製作の映画)

4.4

隣接しながらも隔絶された隣人関係。
それぞれの悩みや葛藤が共有されないまま、両者は啀み合う。

人生の不安を八つ当たり的にぶつけ、普遍的な狂気へと進んでいく。

じわじわと深刻になるご近所問題にはブラ
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霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

4.0

さすがの可愛さと絵本らしさ。

霧の中での冒険譚であり、幻想的な寓話でもある。

ハリネズミはワシミミズクやコウモリに遭遇し、未知なるものに助けられる。
世界の壮大さ・美しさに触れ、コグマと出会っても
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レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

4.8

孤独を抱えた中年の女性の心体を蝕み、夢を抱えた若者の未来に影を落とす。

サラはテレビ出演でもう一度人生を輝かせたいが為に、ドラッグの「魅力」に取り憑かれていく。

ドラッグに限らず、テレビやSNSや
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ドッグマン(2018年製作の映画)

4.0

鄙びた町でしがない男が数奇な運命に絡め取られていく不条理劇。

マルチェロは心優しいが、それゆえに暴力と敵意に呑まれていく。
彼の純粋さに、優しさを仇で返される理不尽が重なって事態は雪だるま式に大きく
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.2

進歩する文明や過酷な現実の中でも、人間の善良性・優しさが確かに存在することを教えてくれる作品。

贖罪と復活の予兆としての聖ラザロと重ねて考えざるを得ない。
彼の存在は人間の原罪を浮き彫りにしていく。
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ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(2013年製作の映画)

4.0

当たってもいない賞金を目指して、噛み合わない父子が車を走らせるロードムービー。

父の故郷で父にゆかりのある様々な人と出会う。
息子は恋愛に失敗し、兄にコンプレックスがあり、母親も大事にしながら父親も
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.1

壮大な世界観、ぶっ飛んだアクション、重厚で緻密なストーリー、見事なメイクや撮影やVF、全てがハイレベルに融合した総合芸術。

荒廃した近未来を舞台にした設定には、ポスト・アポカリプスものの虚無感が漂う
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お嬢さん(2016年製作の映画)

4.8

ヴィクトリア朝時代の作品を、日本統治下の朝鮮に舞台を変えるというインスピレーションが凄い。

不穏でアブノーマルな空気の中、複雑でダークなストーリーが展開される。

単なる騙し合いではなく、愛情や嫉妬
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

4.6

撮影の美しさ、物語の儚さ、演技の奥深さ、素晴らしい化学反応を堪能できる作品。

冷戦期という冷たい時代をモノクロで映しながら、そこに灯る小さくも強い愛を描く。
削ぎ落とされた物語と抑えられた演出だが、
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アオサギとツル(1974年製作の映画)

3.9

アオサギとツルが互いに惹かれながら意地を張り合う姿を愛おしく幻想的に描く。

「美しく可愛らしい」という、アニメの真骨頂が既にここに詰まっている感じがする。

音楽も綺麗。

暗く不気味に静かな日(2014年製作の映画)

3.7

これぞ「大人の絵本」。
絵本らしいファンタジックで訓戒じみたストーリー。
ラストはクスッとできるような終わり方。

排他的でありながら、男の利に乗っかろうとする住民は強欲で人間的。

美しき諍い女(いさかいめ)(1991年製作の映画)

4.6

知的で官能的な台詞の応酬である脚本は素晴らしいの一言。

芸術家の人生観と、その傍らにいる女の人生。
さまざまな思いが輻輳し、人生の種々相を描き出す。

アトリエを中心に交わった視線が、それぞれの仮面
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キャビン(2011年製作の映画)

3.6

バックに潜む組織の存在を見せながら、大学生たちが遭遇する恐怖を描いたパニックホラー。

荒唐無稽な設定とコメディ要素はクセになる。
ホラーというより、ブラックジョークたっぷりのパニックコメディ。

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いつか晴れた日に(1995年製作の映画)

4.0

“Sense and Sensibility”というタイトルがここまで内容を表しているとは思わなかった。

エリノアとエドワード、2人を取り巻く姉妹や母、妻などの女たち。
彼女たちのそれぞれの価値観と
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IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(2019年製作の映画)

4.5

前作がホラーと成長譚の融合で素晴らしかったが、今作もそれぞれの人間ドラマとホラーを重ね合わせている。

人の弱みや負い目につけ込むという設定が秀逸なだけに、ドラマ性が高い。

前作のヤングアダルト感が
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クリープ(2014年製作の映画)

3.9

POVもので、登場人物も2人のみ。
しかしそこには斬新な設定とじわじわと迫りくる恐怖が湛えられている。

訳の分からない不気味さが、鑑賞者を惹きつけ離さない。

マーク・デュプラスの演技は見事。

哭声 コクソン(2016年製作の映画)

4.5

究極のサスペンスで人間の本質を暴き出す、驚くほど鋭利なサイコスリラー。

よそ者の存在で晶出していく人間の残酷性。
「盲信」という行為が目を濁らせ、その人の視世界を造っていく。

一つひとつのシーンに
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キツネとウサギ(1973年製作の映画)

3.8

独創的でありながら、絵本の1ページのような親近感もあるアニメーション。
フレームに縁取られた画面も可愛らしい。

ストーリーは民話的というか、どこにでもあるような身近さ。

イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.3

ビートルズ好きにはたまらない。
曲名がサラっと台詞に入ってる。

ファンタジックで、チャーミングで、ストレートなサクセスストーリー。

荒唐無稽な設定だが、自分なりの輝き方を模索する姿は感動的。

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長く熱い週末(1980年製作の映画)

3.9

大好きな女優ヘレン・ミレンの若かりし頃を見たかった。

ただのギャング闘争ではない斬新な展開が飽きさせないノワール作品。

背景を説明せず、どこか犯罪の匂いがするシーンを重ねる。
訳がわかってないのに
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エリザベス(1998年製作の映画)

3.7

宗教の乱れや権力闘争などに晒されながら、女王としての使命を全うしたエリザベス1世の前半生を描く歴史ドラマ。

愛憎渦巻く人間ドラマでもある。

周りの意見に惑わされる新米女王から、恐れを抱かない威厳溢
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ミスト(2007年製作の映画)

4.1

ようやくちゃんと観た。

濃霧の中起こる超常現象は背景に過ぎず、人間の恐ろしさを浮き彫りにする作品。

秩序を失い、自身のことを最優先にする正当性と残酷さの両面を描く。
極限状態においてのそれぞれの価
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死霊館(2013年製作の映画)

3.8

なんだかんだちゃんと観たことなかった。

ジャパニーズホラーのようなストレートな恐怖と、「ローズマリーの赤ちゃん」のような人智を超えた恐怖が見事に融合している。

長回しも多く、恐怖とリアリティを与え
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ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

3.5

ロシア5人組の1人リムスキー・コルサコフのオペラに乗せて、戦争の痛ましさを描く。

放置されたテーブルなど、失われた日常を切なく描きつつ、戦闘の場面では狂気的な交戦が描かれる。

ロシアのイコンを切り
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.4

ヒエロニムス・ボスやブリューゲルの作品のようなグロテスクさに惹かれる。

圧倒的な力の差でドラーグ族がオム族を支配する構図は、現代の世界情勢を糾弾しているよう。
高い文明を持ちながら、それに見合わぬ野
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