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M3GAN/ミーガンのFMLのレビュー・感想・評価

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)
4.0
現実的な怖さ
今すでにこの技術は実現可能な故の恐怖
てかもう、公に出してないだけで
完成してるやろな。

このiPhoneとかですら、
俺らの会話聞いて、
話題に出てた商品とかを
おすすめに出してくるんやから。
この無機質な怖さ、
誰もが身に覚えがあるし、
フィクションじゃないって
理解してるからこそ、ホラーでありながら
ホラーではないという
不思議な感覚をもたらす。

まぁ小難しい話は置いといても、ケイディがミーガンに没頭する理由付けやったり、
ミーガンを制作するまでの経緯と苦労を、
登場人物のセリフによって
さりげなく説明させたり、
細かいところにかなり気を配って
作ってるんやろうなってことがよくわかる。

ケイディの悲しみと不安定な心の機微も
しっかり描けてると思うし、
セラピストの知識の的確さと、
同時に下手くそな作り笑いのコントラスト
『言ってることは正しいけど
この人の言うことは聞きたくない』
と思わせる種類の笑み。

ミーガンに関しては、
いきなり凶暴性ましすぎやろって思うけど、
でもまぁ将来絶対やばい大人に
なるやろなっていう少年を早々に
殺す判断をして、それを実行できるのは
ロボットならではの強みかもなって
思っちゃったりとか、俺はした。
翻って、ありとあらゆる情報やデータの
集大成なわけで、ミーガンの言うことや
考えることが正しくないわけがない、
という見方もできる。
善と悪というものをストレートに
問うてきてるんじゃないかな、この作品。
自分が愛する人を傷つけてくる奴がいたら、
愛する人を守るためにそいつと戦うのは
当然のことで、でもそいつにも
そいつのことを愛する人がいて──
っていう、複雑な循環。

学習次第ではミーガンはこの世の誰よりも
優しく、強く、輝いた"人間"に
なれるんじゃないかな、なんて、
そんな希望を抱かずにはいられない。

そしてラストはまさかの
スーパーロボット大戦でバチバチの
バトルを繰り広げるという、
ホラーに不可欠のぶっ飛び要素を
しっかり盛り込むことも忘れない。

いやぁ、続編が楽しみや。
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