柏エシディシ

To Leslie トゥ・レスリーの柏エシディシのレビュー・感想・評価

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)
3.0
アメリカテキサス。シングルマザーのレスリーは数年前に宝くじで高額当選を引き当てるものの、酒で大半を使い果たし、友人や家族にも見放され行く当てもない。
酒を手放せないレスリーは、最愛の息子にも見限られどん底に陥るのだが、人生を取り戻す事が出来るのだろうか…?
アンドレア・ライズボローの演技が見逃せなくなってきたのはいつ頃からだろうか。たぶん認識したのは「オブリビオン」か。
「ポゼッサー」や「マンディ」の様な鬼才の元の怪演から「バトルオブセクシーズ」や「ニューヨーク親切なロシア料理店」でのバイプレーヤーぶりまで。どこか影を引き摺るような彼女の独特の存在感はいつも印象的だ。
そんな彼女の決定的名演が堪能出来る作品。
アルコールに身を窶した人間の一念発起。既視感のある題材ながら、彼女リアルで切迫感の溢れた演技でどんどん引き込まれてしまう。
BARで掛かるウィリー・ネルソンの唄に毒づきながら、それでも歌詞にまどろみ憂うシーンは胸に迫る。
本当の人生は、こんな映画の様にはいかないのだろうが、それでも、こういう人間にこそ、こんな映画の存在が必要なんだよ。
どうしようもない奴にも映画はいつだって優しいのだ。
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