くさむすび

銀平町シネマブルースのくさむすびのレビュー・感想・評価

銀平町シネマブルース(2022年製作の映画)
3.3
昨今のミニシアターの労働環境を巡る問題とか、映画制作現場での過労・パワハラの告発が後を経たない事実をネット上で見かけるので、「こんな綺麗な話でいいの?」と思ってしまったのがノイズだった。近藤が借金を背負うきっかけになった出来事も、彼は悪くないと今作を見てる限りでは一概に言い切れないし。なので途中からは城定監督による映画御伽噺として割り切って見たら、割と楽しめた。なんだかんだ言いつつ、映画を好きでいることを肯定してくれるような勇気をもらえる作品ではある。「映画が僕の恋人です!」という台詞が妙に自分の中で刺さった。
"映画についての映画"が今年は多かったけど、映画と観客を繋ぐ映画館にフォーカスしたのは今作と『エンパイア・オブ・ライト』、『あなたの微笑み』くらいか。個人的にはドキュメンタリーチックに暗部にも踏み込んでいた『あなたの微笑み』に軍配。
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