マーフィー

炎上する君のマーフィーのネタバレレビュー・内容・結末

炎上する君(2022年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

2023/09/09鑑賞。


あっこゴリラのアルバム『GRRRLISM』が劇中歌でもめちゃくちゃ合いそうな作品。

オフビートでシュール、そして生きづらさを抱えた人物が、何が進むわけでもないけど何かスッキリして終わる作品は好きなジャンル。
時間が短いからか、もう少し欲しいなという感じはあった。


わかり易すぎる差別とマイクロアグレッション、
バンドメンバーのんはあからさまに感じる部分もあるけど、
そこ以外はあからさまなのに不自然に感じないのは、現実社会に存在するあるあるやからでしょうか。

特に「抑圧された者の象徴」として踊り狂う彼女らが、結局消費されるものになっていたことに絶望する場面は、
悲しさがありながらもとても痛烈な皮肉になっていてどーんと重たかった。


「炎上する男」がいわゆるSNSなどの炎上案件の話ではなく、文字通り炎上している男だけど、
実際会ってみたら炎上案件そのものみたいな境遇や心情なのが
炎上案件の象徴としてうまく描かれていて好き。



公式サイトのイントロダクションにあった「自由と解放を追い求める梨田と浜中が、無自覚な差別や偏見、ラベリングに傷つく人たちを救っていく姿」という部分にすごく惹かれていたけど、
その部分はそれほど深くなかったので少し拍子抜けだったかな。

炎上する男を探すのも大きな見せ場というわけではなく、
普通に見つかっちゃう感じなのも
公式サイトの宣伝文句が大きすぎないかなと感じる。



自分から何か権利を守ったり差別に怒ったりするようなアクションを起こせれば一番いいけど、
そこまでできなかったとしてもせめて
そっと「君はなにも悪くない」と言える人間になりたい。







中井友望ってベビわるの宮内か!
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