Nove

零落のNoveのレビュー・感想・評価

零落(2023年製作の映画)
3.8
自分が描きたいものと売れる漫画は違う。
8年間の連載の後に残ったものは、虚無感、葛藤、欲望、腐敗、不信感、そして編集者は売れる漫画家のもとへいく。
何のために作品を作ってきたのか。
自分が伝えたいことと、読者が望んでいるものとは違う。
この狭間で悩み続けても、答えは見つからない。
本当の評価をしてくれる人は去り、真実から目を逸らす人は群れる。
やはり売れていることが全てに優先するのか。
作家の内面的な心理を映像に表現し、画にしているところが上手い。
趣里の不思議な存在感が、単なるスランプ漫画家から、高尚な悩める人間としての生き方を探す旅に誘う。
何かを創り出すということは、この疑問と常に向き合う戦いである。
Nove

Nove