ロッキー・バルボアのライバルであり、親友であったアポロ・クリードの息子アドニス。ボクサーとして名声を得て引退し、ボクシングジムを経営する彼の元に昔の友人デイムが現れる。辛い過去を背負っていた2人はリング上で拳を合わせて戦うことになる物語。
「ロッキー」シリーズからのスピンオフ。「クリード」シリーズ3作目にして完結編。本作でスタローン演じるロッキーは登場せず。スタローン自身はプロデューサーの1人として関わっているものの、やはりロッキー不在は淋しい気がしましたね。
監督も主人公アドニスを演じるマイケル・B・ジョーダンが兼任。どんな形になっているのか。期待半分不安半分で鑑賞しました。
今回で2作続いたアドニスの栄光は終わりを迎え、本人も引退状態。後進育成に尽力している様子。もう引退の世代かと思いましたが、ロッキー1作目から年月を数えると実に50年近く。そりゃそうだよなと実感。
ただ物語としてはちょっと物足りなさはあった。アドニスの過去に触れた内容で、その時での幼馴染みだったデイムとのすれ違い。それが尾を引いて今に至る形だけど話自体が暗い。過去作に通じる暗さからの光というのが感じられなかったです。話の流れ的にも無理があるところもあり、あまり入り込めず上映時間以上に長く感じましたね。
それでもボクシングシーンの描写はシリーズ屈指レベル。スローモーションやグルグル巡るカメラワークなど演出は良い形になっていたと思います。
ただ良かったと言えるのはそれだけ。別に悪くもないけど良くもない。ロッキー含めてのシリーズでは全体的に一番薄味。シリーズ全作見てきたので、ちょっと煮えきらなさはありましたね。