迷子カズマ

劇場版 センキョナンデスの迷子カズマのネタバレレビュー・内容・結末

劇場版 センキョナンデス(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

2020年4月。私は何をしていただろうかと思い返す。過去のメモなどを見返すと、御多分に洩れずステイホームを余儀なくされ一企業のバックオフィス勤めの私は細かい社内規程などはさて置き急拵えでPCの貸与をされ、自宅からVPNで本社機器に接続し、紙での業務を急ぎでシステム導入やらPDFでの提出にルールを変更し、他部署からの問い合わせや混乱に対応しはじめていた時期だったようだ。ヒルカラナンデスはそんな中現れた自宅を楽しく過ごすことの出来るコンテンツの一つでニュースラップのファンでもあった私は番組の初回からワクワクして拝見していた。しかし(細かい描写は避けるが、)社会に出てざっくり10年ほど経っている私。昨今の日経新聞のCMのターゲット層でもあるかもしれない、若手では無いが何か強い武器があるわけでもないフワフワした人間である自覚がある中、恥ずかしながら、ヒルカラの話題の前提となる知識がかなり抜けている事に観ている内で気付くことになる。衆議院と参議院なんて義務教育の時丸覚えだけで、衆議院の方がなんとなく強い位の印象でしか覚えてなかったし、選挙区制と比例区とはなんじゃらみたいな。こんな知識量で逆になんでこの番組を見れていたかというと何よりお二人のトークの熱とリズムと分からないなりでも丁寧な説明、笑いどころ擽りの点が分かりやすく、何より二人が楽しそうなのがずっと観ていられる大きな要因なのだと映画を観ながら気付く。
で、この二人の話をより楽しむ為には自分は何をすべきかとなると、なんの事はなく自分で知識を得て吸収していくことだけだ。楽しみたいから、勉強をし新聞を読み、速報に呑まれないように自分のなかに知識を溜める。これだけでヒルカラが楽しめるし、ひいては世の中をいろんな見方が出来る。その中には「面白おかしく」があってもいい。政治家の発言をギョッとしつつも皮肉いっぱいに笑い飛ばせばいい。そういう事に気付かせてくれる。私はたまたまヒルカラのお二人が大好きでこのような経緯に至ったが、同じように自分の知識を拡げて世界を面白がる指南書のような映画に結果的になったのではないかと思う。ながなが書いたが、気負うことはない。街を歩いていると急に煩い選挙カーが走り抜けるのを観た経験は誰しもあるだろう、何故あんな事をするだろうと、疑問や違和感がある人もいると思う。そういうザワッとした気持ちを持っていればこの映画は必ず楽しめるはずだ。観終わった後、町で聴こえる音の意味がきっと違って感じる
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