『事故物件』の事故っぷりは実はわざとだったのでは? と思わせる中田秀夫×ジャニーズのとんでも映画第三弾(『それがいる森』未見ですが、ウワサはかねがね)。
生き霊ファーストサマーウイカのファーストサマーウイカっぷりを全面に押し出してくるので、逆にこれで怖がれたらそれも一種の才能だよとなる頓珍漢な映画だが、何故これで企画が通るのだろうか。
観客がわかりきった事実を全部台詞で説明してくれる橋本環奈の顔がホラー映えして面白く、作品とは不釣り合いに良い芝居している重岡大毅が背景に徹する。
霊媒師シソンヌ長谷川のうさん臭さもその弟子のフィクショナルな存在感も嫌いじゃないし、振り返ると役者はみんな引き立ってるのは確か。
ただ、、、この映画を「面白がる」為には何重もの忖度が必要で、なぜそこまでして面白がらなくてはいけないのか、その必要は本当にあるのかと自分に向き合う禅問答の時間が生じていた。
あといい加減清水崇も中田秀夫も「たった今『よーい、アクション』の声と共に演技始めました」みたいな芝居場の撮り方をやめろ。映画が鈍重になる。