ドイツ国防軍のクラウス・ミュラー大尉が主役の三作目。
一作目からだんだんつまらなくなっていって、今作にいたっては二作目「バトル・オブ・ノルマンディー(2011)」のセルフリメイクみたいな内容。長くなったアクションシーンから予算が増えたことはわかったけど、だからって全体がよくなった感じはない。
二作目同様、序盤はヨーロッパ東部戦線。
最前線に残った看護婦がソ連軍に乱暴されるかもしれないというサスペンスを加えているんだけど、その看護婦がガタイも年齢もいい女性なので、ミスキャスト気味。ソ連軍に普通に勝てそうは言いすぎか。
ソ連軍に勝てるかどうかより、看護婦の貞操のほうが一大事みたいになるへんな設定。しかもこのくだり、主人公が怪我をすることで投げっぱなしになって終わる。
中盤からは二作目同様、静養がてらノルマンディーの守備隊に配属される。
占領地から招集したプロイセン人やポーランド人もドイツ軍に加わっている。
ノルマンディー上陸作戦の再現に、もう一度チャレンジしてるけど、これも二作目で見たやつなので、二作目を見た人限定でデジャブというか、酩酊というか、脳汁というか、そんなトリップ感が味わえる。
捕虜収容所の攻防もやって、戦線からの逃避でエンドも二作目で見たやつだった。
唯一、違うのは二作目にあったナチス親衛隊との対立を省いてあるところくらいかな?
なんのためにこれ作ったん?
ただ、おおまかなストーリーは監督・脚本・主演のひとのご家族の実体験らしいので、文句をつけるのは筋違いな気もする。
監督・脚本・主演のひとは護身術で成功したひととのことで、映画は専門じゃないみたい。なので正しくはお金をかけた同人作品という位置づけなのかもしれない。つっても、そんなんこっちはわからんしな。
あまりにB級すぎた結果、この映画がシリーズものだと日本はおろか、世界のひともぜんぜん気がついてないという不遇な作品。
もしこれをこれから見ようと思っているひとがいるのなら、一作目の「エンド・オブ・ウォー(2009)」だけでいいっすよと声を大きくしたい。