シュンチャカ

サーチライト-遊星散歩-のシュンチャカのレビュー・感想・評価

サーチライト-遊星散歩-(2022年製作の映画)
4.5
インスタのオススメで
流れに流れて
フォローしてた方の投稿に
見たことある好きな映画あったから
前情報ゼロでストーリーに
リマインド目的で上げた映画が
今年暫定ベスト1かっさらった。

映画づくりうますぎた。

パンフ未読の
鑑賞直後の殴り打ち感想だけど
今年暫定ベスト入りました。
映画が記憶に残る理由って色々あるけど
もし全編つまらなくても
ワンシーン好きな箇所があればきっと
それは好きな映画になってる。
ただこれはずーーっと良い。
一見なんでもないようなシーンが
心臓狙いに来てる。
内田がお母さんと一緒に
布団の中で耳塞ぐゲームしたり
サーチライト眺めて匂い嗅いだり
ふたりの衝突の場面含めて全部良かった。
「なんかあったら電話して」
「お母さん、大丈夫だよ」
セリフのダブルタップが適切すぎて効果絶大。
『メッセージ(ARRIVAL)』の
“CAME BACK TO ME”に迫る勢い。
なにより内田役の中井さんの芝居がすごすぎる。
上野役の山脇さんのどもりテンポも良い。

ちょっと違うかもだけど
先週帰宅途中の改札で
目の前のおじさんがパスケースを
明らかにタッチしたふりをして
目の前の人にぴったりくっついて改札を抜けた。
ルールや法律に対して背いた行為に対して
処罰させるよう動くのが全体正義なんだろうけど
それが生活困窮によるもので
そんな一回の電車の乗車すら
お金が払えない状態なんだとしたら
本当に悪いのはなんなんだろうか
と一瞬迷ってしまった。

主人公の内田の家庭環境では育ってないので
完全に共感して涙を流したとは言えない
でも小学生の時
構造がドンキみたいな集合住宅地に
住んでる友達などいたのに
自分の環境にかまけて
無意識に見ないことにしてきた人がいるんじゃないか。
自分が流した涙には同情が一切含まれていないとは
言い切れないが
こんなフィクションが生まれる現実に、
自分は食えてるからいいやと
かまけて気づいてないふりはできない。
総理がスーパーで値上がりの視察なんてして
これ何が変わるんだ。

内田は
赤ちゃんの匂いがするって言ってくれる人と
幸せになってほしい。
生きてほしい。
そのためならなんでもします。
ただラストカットは
そのまま台所の後ろ姿がよかった。
製作陣の意図を無視したただの好みなので
それ以外は完璧大好き映画でした。

いやこれなにがそんなに刺さってるのかと
一応考えてみるけど
自分がただの娯楽であるゲーム業界で
ゲームをする生活の余裕のある人達から
売り上げたお金で生活していて、
帰ってからPS5で呑気に何時間もゲームしてる間にも
他国では戦争が起こってて
子供が盾にされたり性暴力が横行してて、
みたいな不平等と不条理を
見て見ぬ振りして生きている罪悪感
を顔面に叩きつけられるからだ。
そんな映画をつくりたい。
シュンチャカ

シュンチャカ